✔ 6.鉱山 7 〜 鉱石採掘体験 7 〜
──*──*──*── 採掘所
アドバイザーのエイクルさんが、セフィーナとマーリンの体に合うサイズのエプロンを選んでくれた。
手が汚れない様にって、軍手も選んでくれた。
鉱山の中に入るから、歩き易くて動き易い作業靴も選んでくれた。
初心者のセフィーナとマーリンに対して親切だし、致せり尽くせりだ。
初心者には誰にでも親切なんだろうけど、細やかな心遣いが嬉しい。
子供だけど、女装してる男のオレだけど、ちゃんと女の子扱いしてくれるエイクルさんは、アドバイザーのプロだと思った。
お姉さん達からの指名率が高いのも頷ける。
エイクルさんのファン達の中には、『 自分は絶対に好かれてる! 』って、勘違いしちゃうお姉さん達も少なからず居るんじゃないだろうか。
エイクルさんの恋愛対象者は同性の男性らしいから、異性の女性から好かれるのは、煩わしくて、迷惑で、嬉しくないのかも知れない。
実際はどうなんだろうな??
まぁ…、金の卵をせっせと運んで来てくれる鴨らしいから、遊男廓に沢山の金銭を落としてもらえる様に嬉しい素振りはするんだろうけど……。
お客の御機嫌取りをしないといけないんだから、何処の接客業も大変だよな〜〜〜。
何か、尊敬しちゃうよ。
採掘所で貸してもらえるエプロンは、料理の時に使う様なエプロンじゃなくて、着ている衣服が汚れたりしない様に両腕を通して着るエプロンだ。
初めて見るエプロンだから、着方を教えてもらって吃驚した。
エプロンの名前は割烹着って言うらしい。
首の後ろ,背中,腰の後ろに釦が付いていて、止めるんだ。
腰の後ろには、エプロンと同じ様な紐が付いている。
後ろで交差させて、お腹の前に伸ばしたら、また紐を交差させて、腰の後ろで、蝶々結びをするんだ。
割烹着が衣服のカバーの役割を果たしてくれるから、衣服が土や泥で汚れるのを防いでくれる。
髪が汚れるのが嫌な人には、専用の三角巾を貸してもらえる。
セフィーナとマーリンは、三角巾を借りなかった。
セフィーナは〈 器人形 〉だし、マーリンの髪は本物の人毛で作ったカツラだから必要ないんだ。
因みにだけど、マーリンの人毛カツラは、セロが〈 テフ 〉を構成して作ってくれた物だからな!
マオ:マーリン
「{ ──へぇ!
こんな格好になるんだな!
何か、笑えちゃうよな }」
器人形:セフィーナ
「 ふふふ。
似合ってるわ、マーリン♪ 」
マオ:マーリン
「 セフィもね。
{ セフィーナはどんな格好をしても様になるよな }」
器人形:セフィーナ
「{ 〈 器人形 〉は何を着ても似合う様に作ってますし }」
マオ:マーリン
「{ そうなんだ… }」
器人形:セフィーナ
「 どんな鉱石が掘れるのか楽しみ♪
ね、マーリン 」
マオ:マーリン
「 そうね… 」
エイクル
「 マーリンちゃんもセフィーナちゃんも準備は出来たかい? 」
器人形:セフィーナ
「 出来ました♪ 」
マオ:マーリン
「 大丈夫…です 」
エイクル
「 よし。
じゃあ、鉱石採掘に行こう 」
器人形:セフィーナ
「 は〜〜い♪ 」
マオ:マーリン
「 は〜い 」
エイクルさんはセフィーナとマーリンの前を歩いて、鉱山の中へ入った。
マーリンは軍手をはめているセフィーナの手を握る。
エイクルさんからはぐれない様にセフィーナの手を引っ張って、鉱山の中へ入った。