✔ 6.鉱山 6 〜 鉱石採掘体験 6 〜
マオ:マーリン
「{ 一寸、セロさんっ!!
此って何なの?
此の会話って必要あるのか??
エイクルさんに、かなりドン引きされてる気がするんですけどっ!! }」
器人形:セフィーナ
「{ 保険です }」
マオ:マーリン
「{ 保険??
何の為に?? }」
器人形:セフィーナ
「{ エイクルさんの毒牙から君を守る為に決まってます }」
マオ:マーリン
「{ オレの為… }」
器人形:セフィーナ
「{ 遊男廓を出る迄にイレギュラーが起きないとは言えません。
女装がバレない保証もないですし。
大人は小難しい事を話す子供を無意識に敬遠するものです。
マーリンが男だと知られたとしても、関わりたくない厄介なセフィーナに好かれているなら、手を出す事にも躊躇はします。
逃げ道は必要です。
セフィーナの話に合わせてください }」
マオ:マーリン
「{ ──と、言う事は……全部 “ 態と ” なんだな??
エイクルさんを困らせる為に、オレへの興味を削ぐ為に敢えて──、敢えて、態と、敬遠される様な小難しい話をしてるんだな?? }」
器人形:セフィーナ
「{ そう言いました。
マオ…若しかして、疑ってます? }」
マオ:マーリン
「{ え゛っ?!
いや…そんな事は、……ない!!
ないよ!
ないに決まってるだろ!
オレはセロを信じてたよ!
初めからなっ! }」
器人形:セフィーナ
「{ そうです?
汗、掻いてますけど? }」
マオ:マーリン
「{ あっあ〜〜暑いっ、から!!
セフィーナが、予想以上に可愛いからっ!
ドキドキしちゃって──(////) }」
器人形:セフィーナ
「{ はぁ?
セフィーナは〈 器人形 〉ですけど?
マオ、君…正気です? }」
マオ:マーリン
「{ 至って正気だよっ!!
正常だよ!!
異常者を見る様な目でオレに痛々しい視線を向けんなっ!! }」
器人形:セフィーナ
「{ …………はいはい…。
そう言う事にしときましょう }」
マオ:マーリン
「{ 『 しときましょう 』じゃ、ないんだよっ!! }」
──もうっ!!
『 違う 』って言ってるのにっ!!
セロめぇっ!!
此も “ 態と ” なんだよな??
そうなんだよな??
オレは、 “ からかわれてるだけ ” なんだよな??
──なんて、セロに確認が出来ないオレは、なんて弱腰なんだろう……。
別に、セロに “ 遠慮してる ” とか、セロが “ 怖いから ” とかじゃないんだからな!!
念の為……。
──兎に角だ、セロなりに考えてくれた “ 敢えての作戦 ” だって言うなら、セロの話しに合わせとけば問題はないよな?
オレが唯一頼れるのは、セロだけな訳だし。
オレがちゃんとセロを信じないとなっ!!
幾分かの不安な要素はあるものの、オレはセロを信じる事に決め、セロの話しにとことん合わせる決意をした。
セフィーナの顔をしたセロと話すのって……違和感がありまくりなんですけど〜〜〜。
マオ:マーリン
「 ──も、勿論よ。
私は一生涯、セフィだけのマーリンで居るわ☆ 」
オレは頑張って、セフィーナに慣れないウインクをしてみせた。
誰かオレを褒めてくれっ!!
器人形:セフィーナ
「 嬉しい(////)
ワタシもマーリンだけのセフィーナよ♪
ふふふ(////)」
マオ:マーリン
「 ……………………ふふ… 」
女の子のフリするのって、超疲れる!!
オレ…、ボロを出さないで、最後迄マーリンを演じられるのかな??
………………不安しかないんですけど…。
其からもセフィーナは、やたらと小難しい話をエイクルさんに聞かせ続けまくった。
内容に付いて行けないオレは、話の合間にテキトーに相槌を打つぐらいしか出来なかった。
肝心のエイクルさんはと言うと、笑顔を引き吊らせながらも、黙ってセフィーナの話を聞いてくれている。
色々と含む所はあるだろうけど、聞き上手に徹するなんて、流石は大人の対応だと思った。
エイクルさん、何か色々と本当に御免なさい!!
でも──、此は全部、オレの安全を確保する為に必要な事だからっ!!
どうか、耐えきってくださいっ!
オレは心の中でエイクルさんに手を合わせて謝った。
そうこうしている内に目的地の採掘所に到着した。
此処で採掘に必要なエプロンと道具を借りる事が出来るんだったよな。
胸がワクワクするっ!!
早く鉱石を掘りたいっ!!