5.宿泊室 2 〜 明日の予定 2 〜
マオ
「…………だから、か。
鯔の詰まりだ、其の為の《 遊男廓 》って事なんだよな?」
セロフィート
「そうです。
《 遊男廓 》に在職,在住している男性達は、保々が同性愛者です。
分かります?
男の姿で歩いているだけで目を付けられる──と言う事です。
唾を付けられでもしたならば、何処かの部屋へ連れ込まれて終わりです。
《 遊男廓 》は、とても危険な男の園です」
マオ
「……………………。
あ、あのさぁ……女人禁制の《 遊男廓 》がさ、何で態々女人禁制を解除して迄、鉱山で鉱石採掘の体験なんて始めたりしたんだ??
女人禁制のまま、男相手に鉱石採掘の体験してれば良いんじゃないのか??」
セロフィート
「収入源を確保する為です。
収入を増やす為に、女性客の喜ぶサービスを提供し、見返りとして金銭を入場料,飲食代,お土産代,会員費等で回収します。
サービスを提供する男性達の恋愛対象者は同性です。
サービスを受ける女性達から好意を抱かれたとしても、彼等が恋愛感情を抱く事はないです。
《 遊男廓 》の男性達にとって女性客は、金の玉子を運んで来てくれる鴨でしかないです」
マオ
「………………さっきも言ってたよな…。
なんか…さ、女の人が不憫に思えて来ちゃうよな…」
セロフィート
「そうです?
ワタシはマオが無事なら良いです」
マオ
「…………セロがオレに女装をさせ様とする理由は分かったよ。
オレの身を案じてくれてるんだな…(////)」
セロフィート
「信じてくれます?」
マオ
「……うん(////)
不本意だけど、明日も女装はするよ。
不本意だけどっ!!」
セロフィート
「2度も言います?」
マオ
「大事な事だからな!
セロ以外の奴に連れ込まれたくないし…」
セロフィート
「良かったです♪」
マオ
「でもさ、女装したからって上手く誤魔化せるもんなのか?」
セロフィート
「心配要りません。
〈 古代魔法 〉でカモフラージュしますし」
マオ
「カモフラージュって……。
其なら女装する必要ないんじゃ…」
セロフィート
「女装するからカモフラージュが効きます」
マオ
「マジか〜〜〜〜!!
女装しなくてもカモフラージュが出来る〈 古代魔法 〉ってないのかよ?」
セロフィート
「ないです」
マオ
「即答!?
で、でも、セロなら作れたりするんだろ?」
セロフィート
「創作するには、 “ 創作技術 ” が必要です。
抑、創作センスが無ければ、〈 魔法 〉の創作は出来ません」
マオ
「創作センスと創作技術…何てのがいるの??
でもさ、セロには関係無いんだろ?
セロは何でも出来るんだしさ」
セロフィート
「マオ…、人形も万能ではないです。
人形に創作センスと創作技術は与えられません」
マオ
「マジなのか〜〜〜〜!!」
セロフィート
「残念ですけど…」
マオ
「………………はぁ…。
…………ところでさ、女人禁制が解除されてるなら、朝 〜 夜迄、女の人が居る事になるんだよな?
賑やかだろうなぁ〜〜」
セロフィート
「全面解除はされてません。
解除対象は、ほんの1部だけですし。
解除される時間も決められてます」
マオ
「そうなのか??
じゃあ、女人禁制の場所は彼此にあるんだ…」
セロフィート
「10時 〜 15時の5時間は解除されます
女性は15時半迄に《 遊男廓 》から出なければいけない決まりです。
決まりを破ると以後、出禁になります。
会員だと解約されてしまいます」
マオ
「出禁になるんだ。
厳しいんだな…」
セロフィート
「男の園ですし、女性に容赦はないです」