──*──*──*── 食堂
マオとセロフィートは向かい合い、夕食を食べていた。
本日の《 食堂 》は、何時も以上に賑わっていた。
《 食堂 》の床は真っ赤な血で染まっていた。
マオ
「………………なぁ、セロさん…」
セロフィート
「どうしました?」
マオ
「………………何で…何で……オレは…こんな格好をしないといけないんだよ??
こんなの罰ゲームだよ!!」
セロフィート
「可愛いですよ。
似合ってますし。
女の子より、女の子らしいです♪
小柄で華奢で童顔な少女は誰からも好かれる様ですね」
マオ
「好かれたくないよ!!
何で野郎共どもに好すかれないといけないんだよ!!
ニヤニヤ笑わらって気き持もち悪わるいし!!」
セロフィート
「仕し方かた無ないいです。
こんなに可か憐れんな少しょう女じょが目めの前まえに現あらわれたら、盛サカるのが雄オス男おとこと言いうものでしょう?」
マオ
「止やめて。
『 盛サカる 』とか言いわないで。
マジで!!」
セロフィート
「何な故ぜです?
少なくとも彼かれ等らは『 いけない欲よく望ぼく 』に忠ちゅう実じつな雄オス男おとこです。
健けん全ぜんではないです?」
マオ
「何ど処こがだよ!!
あんな獣ケダモノ染じみた奴やつ等らが健けん全ぜんで堪たまるか!!」
セロフィート
「お止やめなさい、マオ。
大おお声ごえを出だして、はしたないです。
言こと葉ば使づかいを気きを付つけてください」
マオ
「何なんでだよ!
オレは男おとこなのにぃ〜〜〜〜!!」
セロフィート
「ふふふ(////)
マオのファンが増ふえますね♪」
マオ
「止やめて!
マジで!!
オレは普ふ通つうに夕ゆう食げを食たべたかったのに!!
何なにが悲かなしくて大たい量りょうの鼻はな血じの側そばで料りょう理りを食たべないといけないんだよっ!!
こんな最さい悪あくな夕ゆう食げは久ひさし振ぶりだよ!!」
セロフィート
「はて?
前まえにもありました?」
マオ
「フィンが男おとこだった時ときも、こんな感かんじだった!!
……………もっと酷ひどかったけど…」
セロフィート
「そうでしたか…。
フィンが…。
其それはさぞかし面おも白しろ──」
マオ
「セぇロぉ〜〜〜」
マオはセロフィートを睨にらむ。
可か愛わいい容よう姿しで睨にらまれても全ぜん然ぜん怖こわくない。
寧むしろ、御ご褒ほう美びと言いっても良よい。
鼻なは血ぢを出だしたまま、男だん性せいの象しょう徴ちょうをビンビンに反そり勃たたせたまま、気きを失うしなっている男おとこ達たちを横よこ目めで見みながら、マオは深ふかい溜ため息いきを吐はく。
マオ
「席せき…変かえたい…」
セロフィート
「何ど処こに座すわっても同おなじです」
マオ
「…………も、嫌やだ…」
セロフィート
「マオ…(////)」
嫌いやがっているマオの様よう子すを特とく等とう席せきで見みられるセロフィートは誰だれよりも楽たのしそうだ。
クルセイル
「──ほらよ、注ちゅう文もんの酒さけだ!
ケルメイン・ドゥ・ポォルボって言いう酒さけだ。
美う味まいぞ!」
マオ
「有あり難がとな、クルスさん!」
クルセイル
「マオ……、お前まえ、女おんなに生うまれなくて良よかったかもな」
マオ
「な…何なんで??」
クルセイル
「其それにしても何なんでまた女じょ装そうなんてしてんだよ?」
マオ
「…………うぅ…此これには訳わけが…(////)」
セロフィート
「ふふふ。
マオが『 お酒さけを飲のみたい 』と言いったので交こう換かん条じょう件けんです♪」
クルセイル
「交こう換かん条じょう件けんかよ。
酒さけの為ために──ねぇ?
ヤバい奴ヤツじゃないよな??」
マオ
「違ちがうよっ!!(////)
オレは女じょ装そうなんてしたくないんだよ!!
女じょ装そうなんて大だい嫌きらいなの!!」
クルセイル
「似に合あってる姿すがたで言いわれてもな…」
マオ
「うぅ……(////) 」
マオは両りょう目めに涙なみだを溜ためながら俯うつむき、顔かおを赤あからめている。
クルセイル
「独ひとり身みの寂さみしい男おとこが、放ほうっておく訳わけないもんなぁ?
たまには可か愛わい子こちゃんの体たい温おんで温あったまったベッドで寝ねたいと思おもうもんさ!」
マオ
「止やめてくれよ〜〜」
ケタケタ笑わらいながら面おも白しろ可お笑かしく話はなして来くるクルセイルに対たいして、マオは情なさけない声こえを上あげながら睨にらむ。
クルセイル
「怒おこるな、怒おこるな。
良いいじゃないか、可か愛わいいんだからさ!
──ぶははっ(////)」
マオ
「笑わらうなよ〜〜〜〜」
セロフィート
「──マオ、1杯ぱいだけです。
最さい初しょは一ひと口くちだけ口くちに含ふくんでから、舌したに味あじを慣ならしてください。
慣なれる迄までは少すこしずつです」
セロフィートの言いう事ことが正ただしいのか、マオには分わからない。
然しかし、どんな味あじがするのか分わからない未み知ちなる飲のみ物ものを一いっ気きにガブ飲のみする程ほどの度ど胸きょうがマオにはなかった。
セロフィートがグラスの中なかに注そそいでくれた酒さけは、仄ほのかに薄うすく色いろが付ついている。
セロフィートから受うけ取とったグラスをマオは恐おそる恐おそる口くちに運はこぶ。