5.飲食街 〜 ハリンポルトへ行こう 〜
──*──*──*── 飲食街
《 冒険者ギルド 》での用事を終えたマオとセロフィートは、《 ハリンポルト 》を目指して歩いていた。
〈 海賊 〉の〈 船長 〉の生首が入っていた袋は、《 冒険者ギルド 》の《 応接室 》に置いて来た。
袋の中を確認してくれたのは、《 冒険者ギルド連盟組合ピレトレッシン支部 》に所属している〈 組合員 〉だ。
アンドレム,イシュハルト,ジェリエンツも《 冒険者ギルド連盟組合ピレトレッシン支部 》に所属している〈 組合員 〉だった。
因みにイシュハルトの同棲者も《 冒険者ギルド連盟組合ピレトレッシン支部 》に所属している〈 組合員 〉だったりする。
《 応接室 》へ来たのは男性の2人組だ。
女性でないのは幸いだったと言わざるを得ない。
十数個の生首を見なければならないのだから、一生のトラウマになるかも知れない。
生首を確認してくれた2名は、見事な迄に真っ青な顔色をして、今にも吐きそうな表情をしていた。
手で口を押さえられないのは辛かっただろう。
当分は食欲があっても喉を通らないかも知れない。
男でもトラウマになるのは間違いない。
マオ
「{ ──其にしてもさ、〈 獣族 〉の生首を中に入れてたなんて……。
本物じゃないよな?? }」
セロフィート
「{ 勿論です。
ボレニグさんは≪ セロフィー島 ≫で元気にピンピンしてます }」
マオ
「{ 良かった…。
じゃあ、彼の生首は本物じゃないんだよな? }」
セロフィート
「{ そうです。
〈 テフ 〉で構成した生首です。
血液も〈 テフ 〉で構成しました。
本物と混ざってますし、疑い様のない本物らしい生首です }」
マオ
「{ でもさ、何で態々〈 獣族 〉の生首を入れたりしたんだ? }」
セロフィート
「{ 〈 漁師 〉さん達が言ってました。
『 目撃した〈 海賊 〉──、襲って来たのは〈 亜人種 〉だった 』と… }」
マオ
「{ 其で〈 獣族 〉の生首を忍ばせてたのかよ… }」
セロフィート
「{ 〈 漁師 〉さん達が目撃した〈 亜人種 〉の生首が入ってないのは不自然ですし。
此で疑われる事は先ずないでしょう }」
マオ
「{ だと良いな… }
──けどさ、≪ 港町 ≫に行ける様にしたんだし、目的を達成出来て良かったよな!」
セロフィート
「そうですね。
今日は《 ハリンポルト 》へ寄って終わりにしましょう」
マオ
「クラウノさんに会うんだもんな!
オレの心配してくれたなんて……。
御礼を言わないとな」
セロフィート
「マオの元気な姿を見れば、クラウノさんも安心します」
マオ
「うん!」
セロフィート
「マオ、クラウノさんに兎肉のおつまみをねだってください」
マオ
「はぁ?
兎肉のおつまみぃ??」
セロフィート
「マオだけ狡いです。
ワタシも食べたいですし」
マオ
「仕方無いなぁ…。
まぁ、良いけど。
オレもクラウノさんの兎肉のおつまみ、食べたいもんな!」
セロフィート
「お願いします、マオ」
マオ
「おう!
任せとけ!」
マオが自信満々に自分の胸を叩いていると、《 ハリンポルト 》の前に到着した。