5.廊下 2 〜 行方不明者の謎 2 〜
マオ
「職場にも戻らないで、《 自宅 》にも戻らないなんて……。
何かあったのかな??」
セロフィート
「中々興味のそそられる事件ですね…」
マオ
「セロ!
気が早くないか?
未だ事件と決まった訳じゃないだろ」
受付嬢
「いえ…3件とも事件として捜索が始まっています。
ジェリエンツ様の御両親が《 警察署 》に捜索願いを出したそうですから…」
セロフィート
「立派な事件扱いされてますけど?」
マオ
「………………そだな。
だけどさ、〈 警察官 〉って他の事件も担当してたよな?
〈 旅人 〉や〈 旅行者 〉だけを狙った悪質で迷惑極まりない〈 魅了魔法 〉の悪戯事件とか…」
セロフィート
「マオも被害に遭った事件ですね。
〈 魔鉱石 〉がありますし、犯人達を順調に逮捕出来てると思いますけど?」
マオ
「………………〈 魔鉱石 〉を悪用さえしなければ、だろ…。
はぁ……心配だよ…」
セロフィート
「何を心配します?
きちんと念押ししましたし。
後は彼等の自己責任です。
何が起き様ともマオが気にする事ないです」
マオ
「そうかもだけど……」
受付嬢
「〈 魅了 〉事件の話なら存じてます。
〈 警察官 〉が大活躍されて、〈 魅了 〉に関係する〈 魔法具 〉〈 魔導具 〉〈 装飾品 〉〈 術者 〉を摘発されているみたいです。
〈 旅人 〉〈 旅行者 〉への被害も減少してるそうです」
マオ
「へぇ?
ちゃんと順調なんだ!
じゃあ、〈 魅了 〉事件は近い内に解決するかも知れないよな!」
セロフィート
「だと良いですね」
受付嬢
「──此方が今回の《 応接室 》になります」
マオ
「あれ?
今回の??
前の《 応接室 》と違うの?」
受付嬢
「はい。
此の前御利用して頂きました《 応接室 》は、他の交渉で利用中ですので…」
マオ
「そうなんだ?
《 冒険者ギルド 》の中に《 応接室 》って幾つあるの?」
受付嬢
「4室御座います」
マオ
「へぇ…。
4室もあるんだ?」
セロフィート
「マオ、中に入りましょう」
マオ
「だな。
セロ、今度は待たされても土下座させるなよ!」
セロフィート
「させてませんし。
相手が勝手にするだけです」
マオ
「『 誠意の謝罪 』を強要してたろ〜〜」
セロフィート
「してません。
あくまで然り気無く要求しましたけど」
マオ
「セロが要求って思ってても、相手にしてみれば強要だし、脅しになるんだよ」
セロフィート
「心外も甚だしいです」
マオ
「何処がだよ…。
態となくせに!」
セロフィート
「おや?
バレてました?
マオも中々隅に置けなくなって来ましたね」
マオ
「其って褒められてるのかよ…」
セロフィート
「勿論です。
マオがちゃんと成長している証ですし。
嬉しく思ってます」
マオ
「………………ふぅん(////)
どうせ成長するんなら背が伸びてくれた方がオレは嬉しいんだけどな!」
セロフィート
「マオ…、身長の成長は諦めてください。
マオは今の背丈で十分です」
受付嬢
「彼の……立ち話も何ですし、《 応接室 》に入ってください。
中にソファーもありますので…」
マオ
「──あっ、そうだった!
セロ、何で言ってくれないんだよ〜〜」
セロフィート
「何時マオが気付くのかと思って、敢えて黙ってました。
──てへ♪」
マオ
「ぼっけームカつく…」
セロフィート
「ふふふ♪
さぁさ、《 応接室 》に入りましょう」
クスクスと笑いを堪えているセロフィートに促されたマオは、案内をしてくれた〈 受付嬢 〉に「 有り難う! 」と御礼を言い、《 応接室 》へ入った。
マオが入ったのを確認してから《 応接室 》へ入ると、〈 受付嬢 〉がドアを閉めてくれた。
ドアを閉めた〈 受付嬢 〉は、《 受付カウンター 》へ戻って行った。