4.広場 1 〜 夕食 1 〜
──*──*──*── 広場
夕食は《 広場 》に集まり、〈 亜人種 〉達と仲良く楽しく過ごした。
セロフィートとマオは〈 島長 〉より一段上に用意された段の上に座り、料理を食べている。
今晩出されている料理の全ては、昨晩と今朝に食べた料理とは比べ物にならない程に美味しい出来だった。
果物の果汁ジュースは、喉越しが良く飲み易くなっており、果物特有の旨味と酸味を直に味わえる仕上がりになっていた。
マオ的には満足な味だ。
料理の味付けも、塩や香辛料が使われており、格段と美味しくなっているし、食べ易くなっていた。
此だけ変化と成果をもたらしてしまったのだから、セロフィートが〈 亜人種 〉達に祭り上げられて崇め奉られる理由も解らなくもない。
〈 亜人種 〉達にとってマオの存在は、セロフィートのオマケ的なポジションと化していた。
セロフィートは〈 亜人種 〉達に取り囲まれており、〈 亜人種 〉達に笑顔を惜しみ無く振り撒いて食事を楽しんでいるが、マオの周りには誰も居ない。
一寸寂しさを感じつつも、マオは目の前に並ぶ料理を夢中で食べていた。
賑わしくも騒がしい夕食が最高潮に達した頃、〈 島長 〉のオテルガが突然立ち上がり、重大発表を始めた。
オテルガの話す内容を掻い摘まむと、どうやら名前の付いていない≪ 無人島 ≫に名前を付ける事にしたらしく、〈 亜人種 〉達と相談した結果、意見が一致したらしい。
オテルガ
「──我々の島の名前は『 セロフィー島 』と名付ける!!
今夜から『 セロフィー島 』と呼ぶ!!
セロフィート様、我々の想いは満場一致しております。
宜しいでしょうか」
一方的に『 セロフィー島 』と命名し、決定しておいて、後出しでセロフィートに確認するとは中々食えない〈 島長 〉だ。
セロフィートは自分の名前を使われて困った様に笑っている。
マオ
「ふ〜ん?
『 セロフィート 』と『 セロフィー島 』を掛けた訳だ?
面白いじゃんか」
セロフィート
「──マオ…」
マオ
「良いじゃんか。
セロは面白い事が好きだろ?
オレは良いと思うけどな!」
マオはセロフィートの後ろに立つと、両腕をセロフィートの首に回した。
セロフィートの滑らかな髪にマオは顔を埋める。
セロフィート
「…………面白くないです」
マオ
「セロ…。
じゃあ、止めさせるのか?
良い名前だと思うのに…」
セロフィート
「くどいです…」
マオ
「セぇロぉ〜〜〜。
何が駄目なんだよ?
何か駄目なのか??」
セロフィート
「そう言う訳では…」
マオ
「なら良いじゃんか。
『 セロフィー島 』でさ!」
セロフィート
「…………マオが気に入ってるなら…構いませんけど…」
セロフィートはあまり乗り気ではないものの、此と言って反対する理由もないのだろう、渋々承諾したのだった。
こうして≪ 無人島 ≫は命名された名前の≪ セロフィー島 ≫と呼ばれる事になった。
セロフィート
「──マオ、今夜は朝迄寝かせません。
覚悟してください」
セロフィートには珍しく、少しだけ拗ねた様な感じでマオに言う。
マオ
「え…?
う、うん…(////)
分かったよ」
『 朝迄寝かせません 』と言われたマオの胸はドキンと高鳴った。
もしかしたらセロフィートから『 いいこと 』をしてもらえるかも知れない──と思ったからだ。
マオは今夜のセロフィートと2人きりの時間が急に待ち遠しくなった。
マオ
「( セロと『 いいこと 』するなんて久し振りだよな(////)
今夜、オレはセロから『 いいこと 』されるんだ…(////)
──夫婦だもんな!
当然のスキンシップだよな! )」
あまりの嬉しさにマオはセロフィートの髪に顔を埋めたまま頬を上下に動かした。
セロフィート
「マオ…」
マオの気持ちを知らないセロフィートは、甘えてくれるマオの仕草に対して優しく微笑むのだった。