子供:C
「セロ兄ちゃんとマオちゃんだね!」
マオ
「ちょっ…、何でオレだけ『 マオちゃん 』なんだよ…」
子供:D
「え〜〜。
だって、マオちゃんはセロ兄ちゃんより、小さいし、『 兄ちゃん 』って言うより『 マオちゃん 』の方が可愛いよ〜〜」
マオ
「か…可愛い?!
( おぃおぃ、〈 獣人 〉に迄『 可愛い 』呼ばわりされるのかよ!! )」
セロフィート
「ふふふ…。
良いではないです?
マオの可愛さは〈 獣人 〉にも通用するみたいですね」
可愛さ爆発的な〈 獣人 〉の子供達に『 可愛い 』と言われたマオに対して、セロフィートは声を殺してクスクスと笑っている。
マオ
「セロ!!
笑い事じゃないんだけど!」
むぅ…と、両頬を膨らませ、胸の前で腕組みをしたマオは膨れっ面でセロフィートを睨んだ。
セロフィート
「はいはい。
マオ、明るい内に貝殻を集めに行きましょう」
マオ
「…………そだな…」
セロフィート
「マオ、女の子達は任せます。
ワタシは男の子達を連れて行きます」
マオ
「森で糸に使う蔓を取って来るんだな?」
セロフィート
「そうです。
蔓が無いと貝飾りは作れません」
マオ
「分かった。
──よし、じゃあ、オレ達は沢山貝殻を集めるぞ!」
子供:女の子達
「「「「 は〜〜〜い♪ 」」」」
セロフィートから人数分ぶんの丈じょう夫ぶな袋ふくろを受うけ取とったマオは、女おんなの子こ達たちと一いっ緒しょに貝かい殻がらを集あつめる為ために別べつの浜はま辺べへ向むかった。
マオ達たちを見み送おくった後あと、セロフィートは男おとこの子こ達たちを引ひき連つれ、蔦つるを集あつめる為ために森もりへ向むかった。
──*──*──*── 2時間後
再ふたたび浜はま辺べで合ごう流りゅうしたマオ達たちとセロフィートは、手て作づくりの《 港みなと 》へ移い動どうした。
──*──*──*── 港
マオ達たちが拾ひろい集あつめて来きた貝かい殻がらを女おんなの子こ達たちに種しゅ類るい別べつに仕し分わけている間あいだ、マオは男おとこの子こ達たちに取とって来きた蔓つるを糸いとにする方ほう法ほうを教おしえていた。
とは言いっても、別べつに大たいした事ことをする訳わけではなく、蔓つるの皮かわを剥はぐだけの簡かん単たんな作さ業ぎょうだ。
皮かわを剥はぐと蔓つるの芯しんだけが残のこり、貝かい殻がらに開あけた穴あなを通とおる太ふとさの丈じょう夫ぶで切きれ難にくい細ほそい糸いととして使つかえるのだ。
セロフィートは貝かい殻がらに穴あなを開あけている。
男おとこの子こ1人り,女おんなの子こ1人りに穴あなの開あけ方かたのコツを教おえながら手て伝つだってもらう。
貝かい飾かざりを作つくる迄までの下した準じゅん備びが終おわる頃ころには、日ひが暮くれかかっていた。
セロフィート
「今日きょうは此これでお開ひらきにしましょう。
下した準じゅん備びは1人りでするより、皆みなでした方ほうが効こう率りつが良よいです。
貝かい殻がら集あつめ,蔓つる取とり,穴あな開あけは決けっして1人りでしない事ことです。
必かならず最さい低ていでも3人にんで行おこなってください。
良よいです?」
子供達
「「「「 は〜〜〜い♪ 」」」」
子こ供ども達たちは元げん気き良よく返へん事じをする。
セロフィート
「ふふふ。
宜よろしい。
では、各かく自じ糸いと蔓の芯を5本ほんと好すきな貝かい殻がらを持もって解かい散さんしてください」
セロフィートが話はなしを終おえると、マオは子こ供ども達たちに糸いと蔓の芯を5本ほんずつ手て渡わたした。
首くび飾かざりと腕うで飾かざりの作つくり方かたは子こ供どもにも出で来きる簡かん単たんな作さ業ぎょうだ。
明あ日す、子こ供ども達たちが家いえで作つくって来きた貝かい飾かざりを持もち合あう事ことになっている為ため、子こ供ども達たちは妙みょうに意い気き込ごんでおり張はり切きっている。
子こ供ども達たちは5本ほんの糸いと蔓の芯と選えらんだ貝かい殻がらを袋ふくろに入いれると解かい散さんし、各それ々ぞれの家いえへ帰かえって行いった。
マオ
「明日あしたが楽たのしみだな」
セロフィート
「そうですね。
マオ、明あ日すは≪ 港町ピレトレッシン ≫へ戻もどります。
何い時つ迄までも此こ処こ無人島に長なが居いする訳わけにもいきません」
マオ
「そっか…。
そうだよな。
セロとオレは〈 海かい賊ぞく 〉を退たい治じをする為ために来きたんだもんな…。
一寸ちょっとだけ寂さみしいよな…」
セロフィート
「此こ処こ無人島の事ことは〈 器き人にん形か 〉に一いち任にんします。
≪ 港町ピレトレッシン ≫へ戻もどる前まえに〈 海かい賊ぞく 〉を退たい治じをした証しょう拠こを持もち帰かえらなければいけません。
手てぶらで戻もどっては報ほう酬しゅうを頂いただけませんし、〈 漁りょう師し 〉さん達たちも安あん心しんして漁りょうが行おこなえません」
マオ
「じゃあ、どうするんだ?
他ほかに〈 海かい賊ぞく 〉なんて居いるのか?」
セロフィート
「其それについては《 小こ屋や 》でじっくり話はなしましょう」
マオ
「うん…」
セロフィートに促うながされた、マオはシート代がわりに下したに敷しいてい使つかっていた布ぬのを折おり畳たたむと両りょう手てに持もった。
セロフィートは手でぶらだ。
後あと片かた付づけをしているマオを手て伝つだう気き等など更さら々さらないのだ。
布ぬのを抱かかえたままマオは《 小こ屋や 》へ戻もどった。
◎ 何とか子供達に作った貝殻の首飾りと腕飾りを渡す事が出来ました!
ホントは普通に手渡しで渡したかったです。
◎ マオが作った下手くそな腕飾りを貰った子供が嫌がって、セロフィートの作った腕飾りを欲しがる──というのを書きたかったのですが、断念しました……。