4.浜辺 1 〜 差し入れ 1 〜
──*──*──*──*── 浜辺
マオ
「──なぁ、セロ…。
オレ達は何をしたら良いのかな?
皆、〈 器人形 〉に色々と教わってて忙しいそうだし…」
セロフィート
「マオは何かしたいです?」
マオ
「まぁな…。
セロは何かしたい事あるのか?」
セロフィート
「ワタシです?
ワタシは読書──」
マオ
「読書なんて何時でも出来るだろ〜〜」
セロフィート
「マオ…」
マオ
「だってさ…。
兎に角、此処で読書は禁止だからな!」
セロフィート
「勝手に禁止にしないでください…」
マオ
「駄目だ!
何か皆の役に立つ事をしたいんだよ」
セロフィート
「そうです?
…………ふむ…。
其なら差し入れしてはどうです?」
マオ
「差し入れ??」
セロフィート
「そうです。
片手でも食べ易いサンドイッチです」
マオ
「サンドイッチぃ?」
セロフィート
「おや?
不満です?」
マオ
「……いや、別にサンドイッチは良いんだけどさ、パンが無いだろ?
パンが無いとサンドイッチは作れないよ」
セロフィート
「そうでした。
抑小麦粉が無かったですね。
専用の竈もないですし…」
マオ
「サンドイッチは諦めるとしても、片手でも食べ易い料理は良い案だよ。
其に近いの作れないかな??」
セロフィート
「限られてる食材で作れる料理…。
マオ、惣菜クレープに近い料理を作ってはどうです?」
マオ
「惣菜クレープぅ?
…………粉がないじゃんか」
セロフィート
「万能芋を使えば良いです」
マオ
「万能芋ぉ?
其って、畑で育てる芋だよな?」
セロフィート
「そうです。
良い宣伝になります」
マオ
「宣伝??」
セロフィート
「差し入れが美味しければ、食材となる野菜を頑張って育てようと思いません?」
マオ
「成る程な〜〜……って、責任重大じゃないか!
〈 亜人種 〉が満足する様なの作らないといけないじゃんか」
セロフィート
「大役ですね、マオ♪」
マオ
「…………はぁ…。
美味しいの作れるか自信ないけど頑張るよ…」
セロフィート
「ワタシも手伝います」
マオ
「当然だろ!
1人で紅茶飲みながら寛ぐなんて羨ましい事、許さないんだからな!」
セロフィート
「ははぁ…。
羨ましかったです?」
マオ
「う、煩〜〜いっ!!(////)
差し入れの準備するぞ!」
セロフィート
「ふふふ…。
は〜〜〜い♪」
マオとセロフィートは〈 亜人種 〉に差し入れる為の料理を作り始めた。
セロフィートが〈 古代魔法 〉を発動させ用意してくれた食材や調味料,香辛料等を使って作るのだが、何れも此の島で取れるものや作れるものばかりだ。
レタスの代わりに使うのは、森の中で取れる食べれる薬草だ。
食用油の代わりには、油を含んだ果物,木の実,種,大豆等を圧力で絞ったものだ。
香辛料も森の中にある植物を木の実や枝の皮,根っ子,薬草,葉っぱ等から作られている。
どうやって作られたのかは、マオには分からないが、セロフィート曰く、食べても体には無害の様だ。
万能鶏の肉,万能兎の肉,卵,野牛の乳も使う。
此処で暮らす〈 亜人種 〉が作れる様に道具もある物を使う。
セロフィートに教えてもらいながら不慣れな道具を使いながら料理を作り始めた。
彼等が料理を作っている所を見てもいないのに、道具の使い方を熟知しているセロフィートに感心しながら、マオは料理を続けた。
セロフィートの無駄の無い適切で丁寧な教えを聞きながら、着々と差し入れ料理が完成していく。
マオ
「──ふぅ…。
後、何を作れば良いんだ?」
セロフィート
「そうですね。
ふわトロのオムレツを作りましょう」
マオ
「オムレツかぁ…。
デカいの作るのか?」
セロフィート
「一口サイズのオムレツです」
マオ
「一口サイズって…。
幾つ作らせる気だよ!!」