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異世界と遭遇


 「....あれ?ここは....それに俺は....はっ!」


 目を覚ますとそこは鬱蒼とする木々が密集しているところだった。


 「確か近道したら犬擬きがいて、俺は食い殺された...のか? ならここは異世界なのか?」


 いまだ状況を整理できない頭を抱えつつ体を起こす、すると今まで感じたことのない体の重みと股部の違和感を感じた。


 「ん?んんん?これは....もしかすると、もしかしなくても....おっぱい!!!はぁっ!?」


 そこには存在を主張するように胸があった。


 「これはD?いやFはありえるか?だけど、俺のムスコは....はぁ、すっきりしてやがる...」


 自身の体をまさぐりつつ俺は確信した。そう「異世界転生」をした俺は「女子」に生まれ変わったのである。






 状況を整理するため歩くことにした俺は今、森の中をさまよっている。だが完全に迷わないように一方向に枝を折りながら進んでいる。


 「えーっと俺は宝徳 凉輔で8月26日生まれのB型、17歳だった...よし覚えてる大丈夫」


 まぁ体も世界も違うんじゃ覚えていたってしょうがない気はするけど...


 「でも体的には同い年ぐらいなんだよなぁきっと、女だけど」


 俺の今の身体的特徴を挙げるなら腰まで伸びるロングヘアは濃い藍色で、飾りはないがハーフアップと言うのか?みたいな髪型。

 濃い緑を基調としたボレロとスカートには黄のラインが入っている。中にはシャツを着ており黒のネクタイを締めている。

 身長は160cm強くらい、見た目を気にしていたのかほどよい肉付きをしており、鍛えられていることが分かった。


 さてぱっと把握できることはこれぐらいか、ん?


 何気なくさわったスカートのポケットから1つの指輪が出てきた。宝石や装飾の類いはなく、シンプルな銀の指輪。


 「着用せずに持ち歩いてるのか?なんのために....」


 考えてもしょうがないと諦め、指輪をポケットにしまうと、他にもなにかあるかもと思い服のポケットを漁り始めた。


 結果、刺繍のないシンプルな白いハンカチ、何が書かれているのか分からないカード、予備の髪留めが出てきた。


 「とりあえずすぐ手にはいる情報はこれで全部かな、カードのおかげで分かったのが、言語がおそらく通じないな、まぁ異世界あるあるなんだろうが対処方法が思い浮かばないしこればっかりはどうしようもないな」


 ある程度、想定していたが直面すると少し憂鬱だ。


 「それに持ち物がこれで全部なら、お金がない、無一文だ」


 たとえ人のいる村や街にでたとしても、何も買えない。まいった。


 「そういえば異世界だとするなら、ここは魔法とか使えるのかな? エルフとかドワーフとかいるのかな? ケモミミもふったり出来ないかなぁ」


 と思考があらぬ方向に進み始めたそのとき、少し離れた藪が音をたてた。


 「誰だっ!」


 異世界に来て初めての人だったら良いなぁと半分期待していたが、現れたのは自分の背丈もありそうな猪だった。印象としては「赤」だった。白目の部分は赤く、体からもうっすら赤い何かを纏っていることが窺える。その見た目からこの猪が普通の猪ではないことが一目瞭然だった。


 「そうだよなぁ、こんな森の中を無防備な人間が歩いてればそりゃあ襲ってくるよなぁ」


 知った風な言葉が思わず出てしまったが、窮地なのは変わらない。武器もなければ逃げ切れる気もしない。


 そうこう考えているうちに猪は数度地面を蹴る仕草をすると猛スピードで突進を始めた。


 「うおっ!? 」


 間一髪で横に飛んだ凉輔は直撃を免れた。先程までいた近くには木があり猪はその木と衝突していた。しかし、木は猪の突進を食らってミシミシと音を立て中程から折れた。


 「嘘だろ、あんなの一回でも当たれば即死しちまう、なにか手はないか...っ!」


 猪はこちらを振り返りつつまた突進をする。


 凉輔は猪と自分の間に木がくるように逃げ回る。するとまたもや猪は衝突し木々をへし折っていく。


 「木に当たった後、少し隙ができるのか、でも隙が出来たとしてもやれることがない」


 剣でもあれば斬りつけられる、槍でもあれば横から突ける、魔法でも使えれば.....魔法?


 「一か八か試してみるか....」


 よくあるファンタジーや異世界作品では魔法適正など生まれもっての才能に左右される(俺調べのにわか知識より)。そもそも使えるかどうか分からないのに何を試すというのか。だが、凉輔には説明できない謎の自信があった。


 「あとは、この世界の魔法が詠唱を必要とするのか、イメージで成り立つのか、だな」


 まずはテキトーにありきたりな技名を言ってみるか。


 『ファイヤーボールっ!!!』


 突き出すように構えた手に力を込めるも何も起きない。

 どうやら単なる思い違いだったようで、俺には魔法の素質がないのかと技名を叫んだ羞恥よりも後悔が襲おうと⎯⎯⎯そのとき



 何もない空間が陽炎のように揺らめいたと思うとそれが突きだした手の前へ収束を始める。収束した揺らめきはやがてきれいなオレンジ色へと変化した。拳大の大きさの火の弾はなおも膨張を続ける。


 「おぉっ! この大きさなら、ファイヤーボール食らえぇ!」


 飛んでいくイメージをすると火弾も同じように直線を飛び、突進を始めた猪擬きに正面から直撃した。

 猪擬きは断末魔をあげ地面を転がりもがき苦しむ。なおも襲い続ける火弾は全身を覆い火だるまにする。次第に猪擬きの動きは緩慢になり、やがて息を絶った。


 「えげつねぇ、こういうのって初級じゃないのか...? ちょっと力込めたからか...?まぁどちらにしろ一撃で仕留めれたからよしとするか」


 しかし、1発しか使ってないのに少し倦怠感があるなぁ、魔法を使うという感覚ってこういう感じなのか。連発は難しそうかもしれない。


 ....この猪食えないかなぁ。



 火力が強くてショック死したのか、丸焼きにされたことにより酸欠で死んだのかなど見当違いのこと考えながら、落ちていた枝でつついていると、また藪から音がしたことに気づいた。


 「また猪か? 食料はもう間に合ってるんだが」


 と、たかだか1頭を倒したことで調子にのった言葉がでてしまったが視線の先にいたのは



 茶色のローブを着た老人が立っていた。


誤字脱字があったらごめんなさい。文章力を身に付けないとなぁ。

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