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6-8

役に立たない事を思い出しながら、澪はこんな事を口にした。


「1年経ちました。。。有給休暇です。」


燈は、冷凍庫から大きめの氷を取り出すと、澪は口の中に1つ入れた。

悶える澪に、燈は告げる。「事前連絡が必要だ」


どうやら、一人一人言い訳する様子だ。

正解が見つかれば、残りも便乗するのだろう。




輝石は、結論から導き出すスタイルで、言い訳を捻出した。


「き、昨日で帰るつもりだったんです。でも、雪で交通の乱れがあって、バスに乗り遅れたんです。」


燈は、冷凍庫から氷を取り出した。

輝石は何が不足しているかを理解した。

「待ってください!その、、携帯電話も使えなかったんです。多分電波塔が。」


燈は輝石に膝枕をすると、優しく微笑んだ。

輝石も諦めて、微笑んだ。


「ちゃんと通じてたよ。なぁ、奈美。」



奈美は、死を覚悟する。

この死地を切り抜けるアイデアが欲しい。。

「わたし、、部長なので、皆んなが帰らないと帰れないと思って。」

奈美は、残りの2人を切り捨てる事で、、、、燈先生は奈美に氷を食べさせた。


「人の道を外れるべからず。」



燈先生は、座っている圭の前に膝立ちとなった。

手に持った氷から、垂れる水滴をもう片方の手をお皿にしながら、圭が口を開けるのを待っている。

《何もせずに終われない。》

「雪山が!呼んでたから!」

圭は微動打にしない燈の手から、氷を食べた。




最後の1人になった。

ちょうちょーは、考える。

澪は、以前に言っていた有給休暇の話を盛り返して、難を逃れようとした。

しかし、連絡していない穴を突かれた。

輝石は、連絡の穴を埋める為に、嘘をついた。

嘘を看破されて、倒された。

奈美と圭、この2人の言い訳は意外と悪くはなかった。

なぜなら、『事前、又は事後に連絡していない事』を問題にしなかったのだ。

だが、人道から外れた事、あまりに下手な言い訳で、安らかに眠る事になった。



全てを網羅した回答



「携帯電話、、無くしてました。」


これが神回答。


そして、

「さっき、見つけたんですけどね。」


自ら既に見つかった事を吐露する事で、携帯電話を今持っている事は証拠にならない。


燈先生はスマートフォンの向きを変える。

ちょうちょーの顔を握力でロックし、スマートフォンの顔認証でロックを外した。


「先生!それは、ぷっぷらいばしーの侵害でふ。」

燈先生は、携帯電話から手を離し、ちょうちょーの顔の前に、おにぎりサイズの氷を持ってくる。

《絶対に、口に入らん》ちょうちょーはそう思った。

燈先生は、自白を求めている。しかし、裏を返せば、証拠がないと言っている。

「な、なにを求めているんですか?」

真蛇の顔をした燈先生が、ぐるりと首を回転させた。

「な〜みぃ〜。携帯電話見せて〜。」

ちょうちょーは、燈先生の手に握られた氷を口に咥えた。



全員、氷を口から出した後で、燈は生徒達に注意する。

「良い?学校を休む際は、連絡する事。あと、休む前に休んでも後悔しないか考える事を覚えておきなさい。」

休んだら、ダメと言わないのが栗田先生だなと陸は思った。



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