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6-7


「先生!怒られる前に質問があります!」

奈美はまっすぐ手を挙げ、背筋を伸ばして質問した。

「よろしい。私も先にこの人を紹介しなければと思っていたところです。」

燈は奈美の意図を察して、やるべき事を始める。


「君達5人は、今日来てないから、知らないだろうけど、今日から私のクラスの副担任として、網野 陸先生が着任しました。網野先生は、元西那須中学校出身のOBで、スノーボード経験もある方です。」

燈は陸にアイコンタクトする。


「それでは、自己紹介させてもらいます。網野 陸と言います。数学を教える事になるから、よろしくね。趣味はスノーボードかな。他にもアウトドア関係は、好きでよくやります。何か質問はあるかな?」

奈美が、皆んなの顔を見渡すと綺麗にまっすぐ手を挙げた。

「はーい。陸先生と燈先生の関係はなんですか?」

「、、昔の教え子です。」

怒られる前に、怒られそうになった。

奈美は、おでこにかいた汗を拭いた。

般若を揶揄うものではない。

澪も続け様、手を挙げてから質問した。

「陸先生はスノーボード経験があるとの事でしたが、どのくらい上手なんですか?」

値踏みされている感を凄く受ける。

趣味で、スノーボードと言うと突っかかるタイプ?年に1回滑る程度を趣味と言わないでください。

そう言ってきそうなタイプだなぁ。と陸は思った。

「インストラクターの資格は持ってる。だけど、1度も指導した事はないかな。」

改めてどのくらいかを問われると難しい。

オリンピック出ましたと言ったら、尊敬してくれるだろうか?

それとも、神みたいに崇められるか、恐縮されるか。

「ウィンタースポーツ部のコーチやって下さい!!」

「燈先生は、顧問としては最高ですけど。」

栗田先生は、JSBA2級に受かるかどうかのレベルだそうだ。


燈先生は、パチンっ、と手を叩いた。

「はいはい、コーチ云々は、また今度ね。」



「始業式を休んだ理由を答えよ!」

般若、、真蛇、、しんじゃ、、、



この回答100点でないと、死。

全員がそう悟った。



沈黙



じわじわと追い詰められる。





澪は回想する。



シーズン始めも、同じ様に休んだ時、奈美と澪は燈先生とこんなやりとりをしていた。


開室時間外の生徒相談室に呼び出された2人。

「先生!大人は、有給休暇があるのに、私達は自由に休んではいけないんですか?私のお父さんも休みたい時に休んでますよ!」奈美は苦し紛れに言い訳した。

すると、

「先生も、そう思ってたの。大人よりも子供の方が辛いよね〜。休みたい時に休めないって、辛すぎるでしょ。それに皆勤賞ってなによ?あんなの表彰する意味ある?」

まさかの大ドンデン返し。

2人は調子に乗った。

「さすがです先生。シーズン始めは、大事な時期だと思うんです。1秒でも早く去年と同じくらいに滑れるようにならないとなんですよ。だから明日、、あした、、あ、、。」

澪の目の前に般若がいた。

「一般的に有給休暇はね。1年経たないと貰えないのよ!それに、1年目は少ないの!さらに、風邪や熱じゃない限り、有給休暇の基本は事前連絡よ!」2人は頭をグリグリされた。



回想終了

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