6-26
男女混合SBR全国高校生大会決勝。
山頂の出走場所に並ぶ10人はスタートのタイミングを待っていた。
滑走者一人一人個別に囲われているものの、手摺り部分は隣の滑走者と共有している。
スタートする時は、この手摺りを握り締めて思いっきり自分の体を前に進めるのだが、、
共有スペースである為に、場合によっては相手の手の上に自分の手を乗せるポジション争いが発生する。
スタートダッシュの出来で、レース展開は大きく変わる。
お隣さんと目が合う。優しそうな笑顔で微笑んでいるが、騙されてはいけない。
基本的に手摺りの先端を掴むのが一番のベストだ。
早く掴み過ぎれば相手の手に押さえられてしまうし、遅過ぎれば、出遅れる。
回避する方法は、先端部を諦める事だ。
東那須中学校の応援幕が見える。
白い息を吐く。
心が燃えている。
カウントダウンのブザー音が鳴る。
ぶ。ぶ。ぶ。ぶー。
一斉に飛び出した。
本日、快晴。気温、高め。風、無し。
昨日の板のメンテナンスは過去最高の出来だった。
昨晩は、ぐっすりと熟睡出来た。今朝のご飯は美味しかった。
身体は軽い。心は熱い。
今日が自分の人生の中で、最も良いコンディションの日だ。