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好きな漫画について

『ピンポン』 松本大洋

 好きな作品筆頭といえばこれです。『ピンポン』は卓球漫画で、実写映画やアニメと多方面に展開している作品ですが、そのどれもが秀逸な出来映えになっています。それは原作であるこの漫画の完成度の高さ故なのだと思います。

 僕の中での松本大洋氏のイメージが、人の内面のダークな部分にスポットを当てた作品をよく描く人というもので、僕自身がどちらかというと陰の領域から目を背けがちなのでこれまで手に取ってこなかったのですが、『ピンポン』は違いました。『ピンポン』は毛色が違うといいますか、彼の作品群の中では極めて異色の存在なのです。『ピンポン』はとてもテンポがよく、そして登場人物たちの葛藤や成長や青春を素直に描いたとても爽やかな作品で、かといって人の内面描写を蔑ろにしているわけでもなく、才能やヒーローといったテーマを軸に彼らの内面をしっかりと描いているのです。

 世の中には打ち込めそうなものがたくさんある。どれを選んでもいい。彼らは無数の選択肢の中から卓球を選び、人と繋がり、そして成長していく。選ぶものは何でもいいんだと思います。動機も問わない。どれを選んでも得られるものは普遍的で、意義深く、尊いのでしょう。彼らの輝かしい青春劇に憧れるばかりです。


『逆境ナイン』 島本和彦

 ギャグ野球漫画です。元気がなくなった時はコレ。血潮が滾り肉踊る。とにかく熱い漫画です。野球漫画としてはナンセンスな部類に入りますが、ギャグ漫画としては無類の面白さを誇ります。ナンセンスさがギャグを大いに引き立てています。主人公が超熱血漢で、よく破天荒な行動に走って周囲を巻き込んでいくのですが、逆境の度に奮起して立ち上がって行く有様は滑稽さがにじみ出てはいるのですが、なにか胸を踊らせてくれるパワーがあります。読んでいると血管が浮き出てきます。


『HUNTER×HUNTER』 冨樫義博

 この漫画を一言で言うのは難しい。超能力バトル漫画であり、推理漫画であり、冒険漫画でもある。基本的に明るい作品だがダークな側面もあったりする。念能力という異能力の設定が緻密で、時には大胆だったり。予想を裏切る展開の数々にページをめくる手が止まりません。とにかくワクワクします。これを読んでいる時は僕は一人の少年であり、常に続きを今か今かと待ち望んでいるのですがなかなか成就させてもらえません。不定期連載で、休載が頻発しています。それでも僕は待っています。連載再開の報せを受けた時は小躍りする始末です。読んでいると脳みそが活性化しているような錯覚に陥ります。はたしてこれは本当に錯覚なのでしょうか?


『鋼の錬金術師』 荒川弘

 練り上げられた緻密で徹底した世界観。もう脱帽ですね。賢者の石をめぐる兄弟の、そして彼らを取り巻く人々の物語です。錬金術という、いわば魔法のようなものが存在する世界で繰り広げられるダークファンタジーです。魔法と錬金術の大きな違いはやはり「等価交換」の有無でしょう。錬金術は便利なようでいてとても残酷です。もっとも、魔法というもの自体が非常に大きな括りなので一概には言えないかもしれません。話の終わり方も文句なしです。ハリーポッターの次に熱中したファンタジー作品ですね。


『伊藤潤二傑作集』 伊藤潤二

 伊藤潤二氏は異色のホラー作品を数多く世に送り出している漫画家です。短編集が多く、そのどれもが奇妙で突飛もなくて、そして絵のディティールが恐ろしいほどに細かい。ぶっ飛んだアイデアと妥協のない描き込みによって生まれるシュールさがなんとも心地いい。確かな画力で作品が肉付けをされているので思わず見入ってしまいます。

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