9月13日号 『似非は似非にすぎない』
貴重なお時間を割いてまで、
このような無駄文に目を通してくださいまして、本当にありがとうございます。
『似非』
大辞泉で意味を調べますとこう書かれています。
『[接頭]名詞につく。
1.似てはいるが本物ではない、にせものであるの意を表す
2.つまらない、取るに足らない、質の悪い、の意を表す』
形容動詞としての役割もありますがここは割愛します。
この意味合いから取る印象は、明らかなマイナスイメージでしょう。
今回は結局本物を目の当たりにすると、
似非は似非に過ぎないという、極めて端的なスチャラカです。
現在の似非の代表といえば廉価品がこれに当たるのでしょう。
ちなみに廉価を大辞泉で確認してみますと・・・
『廉価
値段が安いこと・安い値段・安価』とあります。
安いという言葉は関西人をはじめ、旦那さんの給料が上がらずに
家計のやり繰りに苦心されている世の奥様方の強い味方です。
ですが、廉価には何かしらのカラクリが隠されているのは明白で、
電化製品などは型落ちなどが主な原因となりますが、
日用雑貨や食料品に関しては、厳密に言えば原料が似非だという理由があります。
しかし、廉価品ばかりに慣れてしまうと、
いざ本物を知った時、「これで喜んでいたんだ・・・」と
地味にショックを受けてしまう落とし穴に落ちてしまうわけです。
しかも思いもよらぬ所からやってくるショックですから、
意外とそのダメージが大きく残る事も・・・
今日の標的は『鰹節』でした。
鰹節の廉価品といえば『混合節』。
原料が鰹100%なのに対して、廉価版は鯖と室鯵のブレンドです。
まだまだ冷奴に需要がある時節ですから、
混合節の上から醤油(またはだし醤油)をかけていただきます。
これでも美味しさを楽しめるのですが、ここに本物が登場しました。
きっかけは叔父の四十九日の際の『粗供養品』の中に、
鰹節のパックが含まれておりました。
ずっと使わないというのも考えものですので、
例によって、鰹節の味がよくわかるであろう冷奴の上に乗せてみたのです。
調味料も普段と変わらない醤油をかけたのみ。
しかし、その味の違いに驚かされてしまいました。
混合節で味わっていた時は、若干パサついた所が削り節の部分だなぁと感じる程度。
しかし本物を口にした途端、そのギャップに驚かされたのです。
本物にしかない風味だけかと思いきや、それ特有の甘みが大挙して押し寄せてきます。
口にはしませんでしたが、
「ちょっと!全然違うじゃない・・・」という気持ちになると同時に、
いかに自分の味覚が貧相になってしまったんだなぁと
美味しさを噛み締めながらしみじみ思ってしまったのです。
「安い」だけに引っ張られてはいけないんだよなぁ・・・




