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ほんじつのむだぶん  作者: 摩耶


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7月22日号『数奇』

貴重なお時間を割いてまで、


このような無駄文に目を通してくださいまして、本当にありがとうございます。



連日話題になっているのがイチロー選手の快挙の話題です。


捉え方は人それぞれだとしても、通算安打数は世界一となり、


メジャー通算3000本安打もあと数本と、


全米を巻き込んだ狂騒曲もそろそろ佳境へと差し掛かりつつあります。


何処かの本で目にしたのですが、


イチロー選手の凄みは、『自分の持ち味にこだわり、


得意分野でコツコツ成績を積み重ねている』点にあるとありました。


今日の試合でもそうでしたが、内野安打が一本ありました。


仮に3割4分のイチロー選手のヒットのうち、内野安打が2割あるとすれば、


足がなければ打率は2割8分弱まで落ち込んでしまいます。


これを本人が熟知している上で、そこを磨きあげている。


自分の持ち味や売りモノを理解しているからこそできる技術なのでしょう。



そんな中、こんな記事がありました。


『仮に20歳からメジャーに渡っていたら』といった仮説の記事でした。


IFの世界の話ですから、


計算されていく数値はますます膨らんでいきます。


しかもメジャーリーグ特有の試合数の多さから、一気に安打数を越え、


今頃では4000本安打を打っているかもしれない、


本当にピート・ローズ氏の最多安打記録を塗り替えているかもしれない等々、


夢のような数字が並び、


如何にも「そうなっていれば良かったのに……」といった風潮が漂ってきます。



ただ、個人的にはそれはちょっとズレていると思えてならないのです。


本当に20歳で海を渡ったとして、驚異的な活躍ができていたのかと考えると、


恐らく、3Aで活躍するのがやっとといった結果に終わっていた可能性を危惧するのです。


その最大の要因は『育て方』と『数奇さ』にあると思います。


『生みの親よりも育ての親』という言葉があります。


プロ野球の世界で言いますと、育ての親はコーチにあたります。


その当時からメジャーリーグはビッグ・ベースボールであり、


安打を打ち続けるイチロー選手を非難する記事も散見される時もあります。


求められるのは長打力を産み出すパワーだという事は、


歴代の本塁打王がステロイドを使って筋力増強を行っていたという事件を見れば


一目瞭然の事でしょう。


恐らくメジャーで通用するようなパワーを付けさせるコーチングが主流となれば、


イチロー選手の才能の開花は見られなかったと思います。


更に、キャリアを日本からスタートさせたからと言って、


監督が使おうと考えない限り、日の目を見なかった可能性もあります。


故仰木監督がここぞといった絶妙なタイミングでイチロー選手を起用し始めたからこそ、


ここまでのキャリアを積み上げる事ができたと思うと、


コーチ・監督の思惑が完全に一致した奇跡に近い運命により、


現在のイチロー選手があるように思えるのです。


数奇とはまさに、こう言った時に使われるような言葉だと思えてなりません。

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