26年2月10日号『ダンジョンを抜けた先には』
貴重なお時間を割いて、
無駄文に目を通してくださいまして、
誠にありがとうございます。
久々に行きました、今井町。
奈良市内も昔ながらの
街並みも残っているのですが、
やはり観光に重きを置いているので
徐々に都市化の波が押し寄せます。
とはいえ、景観条例の縛りによって、
高い建物は建てられませんし、
中心地から少しでも離れますと
昭和の雰囲気を味わえる。
特に町全体が
重要伝統的建造物群保存地区に
指定されている今井町は
更に時代を飛び越えて
江戸時代の町並みが保存されており、
町歩きを楽しむには
うってつけの場所ですし、
海外の観光客もここまで
足を伸ばすこともないのか
静かに空気感を楽しめます。
唯一大変なのが
画一化されている碁盤状の町並みで
目立つ家もありませんから
方向感覚も狂いますし
同じところをぐるぐる回っている。
GPSを利用して歩いていても、
「これ、ホンマにここか?」と
端末に疑いの目を受けてしまう。
今井町はリアルダンジョンだと
初めて足を踏み入れた時に
痛感しましたし、
行き慣れていても
暫く足が遠のきますと
「あれ?行ったはずなのに
こっちで良かったっけ?」と
自身の記憶力に疑いの目を向ける。
それが若年性認知症の
引き金になっているかもしれないと
脇に脂汗を感じる。
今井町ダンジョンに挑むのは
己との戦いである。
個人的な絶対に負けられない戦いが
そこにあるのです。
そこのフリースペースで
(同じ今井町なのに
行き慣れた場所ではない所で
迷ったのはここだけの話)
催された交流会は
チョコフォンデュ。
そして明日も別の場所で
チョコフォンデュと
チョコレートに塗れる1週間が
始まっています。
若い頃は義理・本命の如何を問わず、
(そもそも本命なんて贅沢品を
貰ったことはありませんが)
「こんなんナンボあっても
いいですからね」と
喜び一辺倒を貫けましたが、
焼肉のカルビ・揚げ物定食に
胃もたれを感じる年頃になると、
同じものを食べ続けるのも
徐々に大変になってきます。
生クリームなど加わりますが、
基本はチョコレート。
カレーを加えれば
全てがカレー味になるように
チョコレートも味変は相当難しい。
そうなりますと、
工夫のタネとなるのは、
何につけるかにかかってきます。
バケット・バナナ・
ポテトチップスと定番が並ぶ中、
目に入ってきたのが苺。
クリスマスケーキの頃に
一気に値が上がり、
シーズンが終わると元戻りの
波がやってくると思いきや、
据え置きで手が出ず
中々口にできない高嶺の花の
ポジションに収まっている代物を
こんな形で口にできるとは……
しかも、チョコレートコーティング
されているから
酸味が強いかと思いきや、
全く負けない甘みの強さ。
冗談抜きでこれまでの半生で
最も美味しい苺と
こんな形で出会うとは……
ダンジョンを抜けた先には
望外の幸せが待っていた。
RPGじゃあるまいに……と
含み笑いが浮かびます。




