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ほんじつのむだぶん  作者: 摩耶


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3月28日号 『良し悪しはあってこそのモノである』

貴重なお時間を割いてまで、


このような無駄文に目を通してくださいまして、本当にありがとうございます。



何にしろ「改善しよう」という意図が見えるのは、


「何とかしたい」という前向きな気持ちの表れですから素晴らしい事だと思います。


思えば逸般人の若かりし頃は、周りは鬱蒼とした森しか拡がっておらず、


近くの駄菓子屋に欲しいモノがなければ、結構な距離を走らなければなりませんでした。


それが高速道路が通って、インターチェンジが近くにできると、


一気に開発が進み、徒歩圏で色々な商品が買えるようになりました。


このおかげで不便さが解消されたと喜ぶ方も多かったと感じます。


ですが、改善の手を施したとしても、


【改良】と称される影で、それが【改悪】となってしまうのもあるわけでして、


100人中100人がそのメリットを受けられるのは不可能なのも事実です。


今回はそんな改善と改悪が形となって現れた話題に触れようと思います。


路線で申し上げればシリアス寄りになると思うのですが、お付き合いください。



少々季節の進みは遅い今年ですが、


そろそろ桜の頼りが所々で届くようになってきました。


我が家の花見といえば通例になっているのですが、


奈良市内で唯一のお城である大和郡山城で、


この時期に催される【大和郡山 お城祭り】へ歩いて向かいます。


ここ数年お城は改修と展望台設置の工事の為に規制されていたのですが、


地方のニュースで話題に改修が完了したとの話でしたので、


リニューアルされたお城がどうなったのかにも興味がありました。



流石に4年かけただけあって、大きく様変わりしておりました。


以前は、天守跡には上がる事すらできませんでしたが、


展望台が作られた事で上がれるようになり、見晴らしが格段に良くなっていましたし、


アスファルトで舗装されたり、歴史を記した立て看板もあり、


観光の名所とを目指すのに変化を遂げたのは、改善の一手ではあると思えたのです。


ですが、申し上げたように改善の影には改悪がある。


改悪の部分は趣がなくなってしまったなぁと感じてしまう部分が目立って映るのです。


改修前の舗装されていないお城では、お城の周りにも多くの桜が植えられており、


所々でブルーシートを敷いて、三々五々にお花見が行われていました。


そこにはどんな壮絶な人生を送ってきた人であっても、


思わず笑顔になってしまう桜の魔力に満ち溢れていたのです。


ですが、改修された現在、笑顔を作り出してきた桜は切り倒されて舗装され跡形もありません。


昔の姿を留めているのは、ほんの僅かでしかも立ち入り禁止区域になっていました。


確かに近くに規模の大きな公園があり、


お花見を楽しむにはそこに行けばいいというのは理解は出来るのですが、


間近にあるお城の石垣を見ながら歴史に思いを馳せ、お酒を楽しむ場所が無くなったのです。


改善(かいしゅう)の影に消え去ってしまった風情(おもむき)


まだ固そうな桜の蕾を見下ろしながら、


「何かもったいない事をしたんじゃないかなぁ…」と残念感を抱いたのは言うまでもありません。

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