3月11日号 『まだまだの気持ち』
貴重なお時間を割いてまで、
このような無駄文に目を通してくださいまして、本当にありがとうございます。
本来ならば座してこの日を迎え、被災地に思いを馳せながら黙祷を捧げ、
神妙に1日を過ごすべきなのかもしれません。
ですが、どれだけ気持ちを慮ろうとしても、全てを汲み切ることは決して出来ません。
そこにあるのは【経験者】か【非経験者】かの大きな壁が立ちはだかります。
「お気持ちをお察しします」の言葉すら
非経験者の立場からすれば軽々に口にできないほどの傷を背負いながら、
被災地の皆様は歯を食いしばって、復興へと歩みを進めているのです。
では、非経験者だった私に出来ることは何か。
それは従来通りの無駄文を提供し続けることしかありません。
被災された方がスチャラカに目を通されて、
微かでも心が和んでくれるようであれば、この無駄も意義があるのでしょう。
と、湿っぽくなりましたが、ここからいつもの無駄文に戻る事にしましょう。
閑話休題…
消費者が商品を購入する際に手に取るモノは、どこから見ても『完成品』の体を成しています。
そりゃそうです。売る側も欠陥商品なんて売ろうものならば、
ストックは返品商品の山に埋め尽くされるでしょうし、
会社が会社なら、所々で民事訴訟を起こされ、
賠償金以上にその名声を奪われてしまう大きなしっぺ返しを食らうことになります。
そうならないために、あらゆる場面で想定されるテストを
気の遠くなるぐらい繰り返した後、出荷となるのですから、
販売されている商品達は、ほぼ疑われることはありません。
一応の完成品が出来上がれば、
逸般人のような小者なら「あ~、何事もなくて良かった」と安心してしまいますが、
本当の開発の世界では、そんな考え自体が甘いんだと思い知らされるシーンがありました。
唐突ですが、皆様の手許に【シャープペンシル】はございますか?
最近はキーボードやタブレットと渡り合っていて、
書く機会がめっきり少なくなったという方も多いでしょうが、手に取ってみてください。
現在、逸般人の手許にも1本転がっていますが、大体は皆様のモノと大差はありません。
蓋をノックすれば、先からシャーペンが頭を覗かせます。
蓋を取れば小さな消しゴムが付いていますが、
普通の消しゴムと競べても消しにくいので、不急の事態でないと出番がやってきません。
替芯は消しゴムをとって軸となる筒に数本単位で入れられます。
基本的な構造はこんな感じでしょうか。
(逸般人のモノは振れば芯が出てきたり、
グリップが柔らかくて書き続けても疲れないといった機能もついています)
とはいえ、これが完成形であり、それ以上の開発は難しいと思っていたのですが、
ふと立ち寄ったDIYを扱っているお店で文房具を見ていますと、
これまで見る機会のなかった商品が陳列されていました。
『360°トガり続けるシャープペンシル』
『芯を出さずに字が書けるシャープペンシル』
『0.2mm芯専用のシャープペンシル』
替芯にも耐久性を求めた、折れない芯等といったラインナップです。
完成形のように見えていたシャープペンシルでさえ、まだまだ改良すべき所があって、
その問題を解消するための開発が進められていたことに驚かされました。
「これでいいや」ではなく「まだまだ」と追求をやめない意欲。
私に最も欠けている部分をシャープペンシルに教わったいい機会になりました。