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3月10日号 『後手後手はよくない』

貴重なお時間を割いてまで、


このような無駄文に目を通してくださいまして、本当にありがとうございます。



先手必勝とは、勝負事に対しての定石となっています。


受け手に回るという事は、先手が打った手に対応している形ですから、


基本的に防御を念頭に置いた作戦になっていて当然なのです。


これが、一瞬で体勢を決する所では致命的になってしまいます。


更に先手必勝の大きなメリットは、結果によって抱いてしまう後悔の量が段ちだという事。


仮のその策が失策で、大きな不利益を被る結果を招いたとしても、


『自分が選んだ』という点では腹を括れているのです。


その機会を逃した場合、それが功を奏したのなら何も感じないでしょうが、


そうでないと「あの時こうしていれば…」と、


流れを引き寄せられなかった事に引きずられてしまうケースが多いように感じます。


今回はそんな先手必勝の大切さを意外な所で痛感したお話です。


少々シリアル路線に寄るとは思いますが、お付き合いくださればと思います。



昔は鬱蒼とした森に囲まれていた我が家周辺でしたが、


近くに高速道路が走った事を契機に一気に開発が進みました。


買い物をするにも一苦労だったのですが、


現在では大型ショッピングモールがオープンされて2年が経ち、


地域の風景として馴染んでいます。


その一方で、ショッピングモールの隣にも他社のスーパーマーケットが建っており、


生き残りを賭けた戦いの火花が散り続けています。


消費者サイドに立って考えると、比較対象がすぐ近くにあるのですから、


価格を比べて買い物ができるという便利な環境になっています。


その片方のスーパーマーケットの方に立ち寄った時に妙な違和感を覚えるのです。


生鮮食品や商品、お惣菜などが所狭しと並んでいるスペースもあるのですが、


逆に衣料品を販売しているコーナーに、妙なスペースが空いているのです。


風通しがいいと言えば聞こえはいいですが、


他のコーナーと比較しても殺風景な感覚が否めないのです。


開店当時からある店内図があったので確認してみますと、


どうやら、テナントとして何かのお店が入る予定地が用意されていたものの、


結局は入ってこずに何とか衣料品で埋めている様子でした。


それを垣間見て、このスーパーが完成する前の森だった頃を思い起こしてみますと、


高速道路のインターチェンジが開通してまもなく、


スーパーマーケットが建設予定地として土地だけを押さえました。


「へぇ~…やっとこの辺りも便利になるんだなぁ…」と工事の看板を眺めていたのですが、


待てど暮らせど、店舗建設の動きも見られないまま10年弱放置されていました。


つまり、先手を打たなかったのです。


恐らく、誰もここには進出してこないだろうという思惑があり、


案の定、数年間は周辺は鬱蒼とした場所だったのです。


しかし3年ほど前、急に反対側の森が忽然と姿を消し、


(なら)しが始まったかと思いきや、後発のショッピングモールが店舗建設を始め、


秀吉の一夜城のように、あっさりと店舗を構え開店に踏み切りました。


スーパー・ドラッグストア・大手衣料品メーカー・家電量販店・100円ショップ・DIYと、


ほぼ完全なラインナップの一大ショッピングモールの完成です。


その中に、スーパーで開店する予定だったお店も含まれていたのでしょう。


慌ててスーパーの方も建設・開店へと漕ぎ着けたのですが、後の祭り。


残念ですが、集客という部分では劣っているように見受けられます。


リスクの保有という部分では、慎重にならざるを得ないというのも理解は出来るのですが、


その空いてしまったデッドスペースが、後手後手の代償として残っているのは、


その流れを見てきた逸般人にとっては、痛々しく映ってしまうのです。

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