2月27日号 『価値の暴落』
貴重なお時間を割いてまで、
このような無駄文に目を通してくださいまして、本当にありがとうございます。
【なりゆきまかせ】と言い切ったものの、
舌の根の乾かぬうちにシリアス路線に舵を切ってしまう体たらくに、
「勿体ぶっておいて、結局これかよ…」と時間通りに綴りきれなかった事も含めて、
苦虫を噛み潰した思いを少々引きずっておりました。
不急に陥らない限りは、1日1本は自らに課した最低ノルマ。
全く小説作品を書けていない現状に、
もっと自分に呆れて憤らなければならないでしょうね。
という事で、今回は意図的に書いている時間を早めています。
そんな反省の意図を込めながら、綴る話題はスチャラカに持って行きますので、
肩の力を抜いてご覧くださればと存じます。
このタイトルですから、内心冷や汗をかかれる方もいらっしゃるのではないでしょうか。
意味合いとして直結するのは株式の世界。
所持している株券の価値が、会社の不祥事や破綻などで急落すると、
数分所有しているだけでも価値が急落し、赤字額が膨らんでいく一方です。
少し前までは『塩漬け』という価格が上がっていくまで所持し続ける手法もありましたが、
それは今は昔で、さっさと売り切ってしまう事で赤字を抑える『損切り』が
スタンダードな手段となっているように思えます。
とはいえ、デイトレードで糧を得ているわけではありませんから、
突っ込んだ話になるとボロが出てしまいますので、今回は言葉だけを借りてきました。
それぞれの言葉にも『価値』が存在するように思います。
言葉が持つ意味に、稀少性や貴重性を帯びるようならば有難がられますが、
その言葉の出現回数があまりにも多くなると、それが薄まってしまうと共に、
言葉の重みが一気に軽くなってしまいかねません。
ここ数年では【…すぎる】や【○○○○年に一度の…】の価値が
暴落の一途を辿っているように感じますが、新たにその道を歩んでいる言葉を見つけました。
それは【SP】。
Security Police(警備隊員)の略ではありません。
単純にSpecial(特別)の意味を持っているSPです。
基本的には何だかお得そうで、ウキウキしてしまう気分になる印象があるのですが…
その気持ちを持ったまま、新聞のテレビ欄をご想像ください。
スペシャルですから、時間枠が拡大されていたり、放送内容が豪華になっていたり、
豪勢なプレゼントが用意されていたりと、視聴者を惹きつけるために言葉が散りばめられています。
ですが、新聞欄を確かめてみますと、
開始放送時間は変わりませんし時間の延長もありません。
普通の放送枠で乱発される【SP】の文字。
1度1度の放送を真剣に番組を造っているので、
全てが特別だと主張されてしまえば、返す言葉は見つからないのですが、
軽々に扱われて多発するSPには、ちょっとした残念感を抱いてしまうのです。