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2月14日号 『それっぽい話?』

貴重なお時間を割いてまで、


このような無駄文に目を通してくださいまして、本当にありがとうございます。



この時期になりますと、老若の差もなく世の男性たちはソワソワしますね。


こんな中年のオッサンにも、青春を過ごした時期もありました。


誰にも見られていないのに、ムースをつけて格好良さを取り繕ってみたり、


綺麗好きだと思われたくて、下駄箱の自分の所を丹念に(ほうき)で掃いてみたり、


しばらく廊下を歩いて不意に振り返ってみたら、誰かいるかもしれないと、


傍から見れば、とても滑稽な様子だった事でしょう。


目指すはチョコレートのコマーシャルのような突然のチョコレートと告白。


その先にはリア充(当時そんな言葉はありませんでしたが)よろしくの


バラ色の学生生活の幕が上がる…はずでした。


しかし、そんなバラ色をした幕は存在しませんでしたし、


下駄箱に何かが入れられている事もありませんし、


突如後ろを振り返ってみて、見知らぬ女子生徒と目が合って、


「うわ、何この人、キモッ…」という目線を送られてフェイドアウト。


逸般人の半生で『バレンタインデー』といえば…


「よく舞台設定で『血のバレンタイン』って使われるけど、これって何?」と、


虐殺から漂ってくる血生臭さしか感じない1日という定義がなされているのです。



しかし、世紀が変わりますとイベント自体も様変わりするようで、


本命・義理の他にも、友・自分(またはご褒美)と言葉を変えて、


チョコレートを売り出そうとする路線が功を奏しているのか、


この時節、デパートは女性陣で占拠される様子が良く映し出されます。


青春時代にチョコレートに恵まれることが全くなかった逸般人も、


「高カカオのチョコレートに入っているポリフェノールが健康にいい」と


医療バラエティで声高に叫ばれるのを拝見しまして、


「これは健康にいいモノなんだ」と割り切って手にする機会が多く、


今日もお昼の買い出しついでにチョコレートを手に取っている父の様子を眺めていたのです。


そんな父にも昔からのこだわりで、


節目を見て、某社のラムレーズン入りを買い物かごに入れていきます。


お酒を口にする事を避けている父にとっての唯一の酒類がこれで、


多少割高なのですが、ご褒美に買っているのです。


喜々として荷物を車に詰め込んで乗車し、


早速アルミを破ってかぶりつこうとしていた時にふと思ったのです。


「ちょっと待って。これって飲酒運転になるんじゃ…」と。


慌てて押しとどめて箱を確認すると、


『食後の車の運転はお控えください』といった注意書き。


アルコール検査の大半は夜に行われるでしょうから、昼にはないだろうと思っても、


少しでも可能性がある以上、引っかかれば刑事罰に問われる恐れもあるわけで。


幾らベテランドライバーで経験豊富といっても、


高齢者による車の自己の話題が頻出している以上、心を鬼にしないといけません。


一気にご機嫌斜めになってしまう父を説得して事無きを得て買い出しを続行したのです。


バレンタインデーだからこそ浮いてきた『飲んだら乗るな』。


まさかこんなタイミングでその標語が出てくるとは思いませんでした。

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