1月29日号 『こちらの方が深刻かもしれない』
貴重なお時間を割いてまで、
このような無駄文に目を通してくださいまして、本当にありがとうございます。
「好感度の低い選挙戦」と揶揄されながらも
色々な意味で劇的な幕切れとなってしまった選挙戦から3ヶ月。
反対派の激しいデモが様々な場所で行われて、
暗殺を企てる者もいるかもしれないという、物凄く不穏な空気の中での大統領就任演説を経て、
トランプ氏が大統領の指名を受けて、まだ10日程度。
早速、前任者のレガシィを、力尽くで叩き壊し続けているようですね。
確かに2期8年間同じ政党が政権を握り続ければ、
その影響を被っている方々の反発も大きくなるでしょうし、
この国とは異なり、民主党と共和党が入れ替わるのも2期が多いようなので、
政権交代としては順当だと言えるかもしれません。
次々と発布されている大統領令や数々の批判的な発言も、
彼が掲げた国民との100日契約と銘打った政権公約に書かれている事を、
有言実行しているだけの話ですので、特に違和感が見受けられません。
ビジネスはスピードが第一ですから、
ここまでは流石は一流のビジネスマンとしての手腕を発揮しているように映ります。
問題は門外漢であろう軍事・外交といった
詳細に話されていないブラックボックスの部分です。
恐らくビジネスライクは政策に打って出る事になるでしょうから、
如何に交渉や折衝・ロビー活動が大事になってくるように感じます。
と、最初から真面目路線を歩み始めたのですが、
「ほんじつのむだぶん」はこの歩みを留める事はなさそうです。
今回のトランプ大統領は70歳。
大統領就任の年齢としては歴代の中でも最高齢だそうで、
1期4年の任期も務められるのかという懸念材料もありますが、
こちらはもっと懸念すべきモノが潜んでいるのです。
そろそろ大河ドラマかなぁと思っている頃合に速報が現れます。
このタイミングで出てくる速報といえば「当確速報」です。
しかも投票を締め切って1秒も経過していないのに出るという事は、
それだけ票数に結構な差がついての決着で、
選挙の醍醐味があっさり失われてしまうわけです。
それでも選挙戦となって、候補に1票入れる事ができるのはまだ幸運であり、
場所によっては、無投票で再選を手にする結果も見られ、
それだけ地方行政を任せられるような優秀な人員が、
地方には残っていない事実を明らかにしています。
今回当選した候補は奇しくも大統領と近い年齢だったのですが、
その候補の紹介の原稿にこんな言葉がありました。
『3期12年の実績が評価され、4期目の当選を確実にしました』
うろ覚えですが耳に刺さったフレーズがこれでした。
地方の選挙で必ずと言ってもいいほど争点に挙げられるのは、
少子高齢化・人口減少・地方活性化といった3本の矢。
という事はこの候補者は、干支が一回りしてしまうほどの長期間トップに立って、
この3本の矢をどうするかの旗を振り続けてきたはずですし、
何らかの施策は打ったのかもしれませんが、
4期目を目指すという事は、それだけやってまだ道半ばという印象になり、
特に大きな功績を挙げてこなかったのかという疑問が残るのです。
税金で仕事をしているはずなのに、これでは言い方は悪いかもしれませんが、
詐欺にかけているように映ってしまうのです。
地方の後継者不足と実績不足。
大統領の過激な選択よりも、こちらの方が症状は深刻かもしれません。