1月26日号 『それでも生きてゆく』
貴重なお時間を割いてまで、
このような無駄文に目を通してくださいまして、本当にありがとうございます。
アスリートの方々は特にそういう事に敏感なのか、
速い直球を誇っていた速球派が、突如球筋を見切られ打たれ始める。
まだまだ寿命を長らえたい本心から、どうしても技術で相手を抑えなければならなくなる。
そのために着手するのが緩急です。
アスリートの世界だけではなく、
普通に暮らしている皆様にも『緩急』が重要だと気づく時がやってくるでしょう。
逸般人がノリと勢いだけではやっていけなくなった事を自覚した三十路の声を聞く頃でした。
無駄文に関しても同様な事が言える訳でして、
スチャラカ・スチャラカに次ぐスチャラカでは読まれる方もそうかもしれませんが、
創る側も結構骨が折れる工程だったりもするのです。
という事で、本日は若干シリアスに寄せていくと思います。
歌手として絶対の自信を持っていた少年が、
とあるオーディションで立派な弾き語りを披露しました。
ですが、審査員の反応はつれなく、
「ダメだな坊や。はっきり言うと君には才能がない」と一言で切り捨てました。
家に戻った少年は思い切り泣いて、そのあと猛練習を始めます。
後年、世界的な歌手と成長した彼がその時の事をこう語りました。
「あれは自分の生涯で起きた一番良い出来事だった」
歌手の名前はソウルの神様、レイ・チャールズ・ロビンソン。
機会があれば、1度曲を聴いてみてください。
今だからこそ懐かしいジャズの音楽は、人の心を打つのかもしれませんね。
近頃は特に新たな『才能』というモノが求められる時代なのかもしれません。
その象徴となるような番組がありまして、
日本中の1%の中に入っているであろうセレブリティとして人生を謳歌されている方々が、
自らの誇りをかけて俳句・書道・生け花・陶芸・水彩画・盛り付けなど『芸術』の部門で
専門家の先生方から「才能アリ」「凡人」「才能ナシ」と判断されています。
額面通りの美意識やセンスを見せつける方もいらっしゃれば、
残念な結果に終わって、あからさまに消沈されている方もいらっしゃいます。
椅子に座ってふんぞり返っている方が
「才能ナシ」で椅子からズリ落ちていく様子を手を叩いて歓迎する。
そのカタルシスが、こういった番組の大きな醍醐味と言っても過言ではないでしょう。
判定するジャンルも多種多様ですが、
新たに登場したモノに対しては、妙に納得し難い印象を持ったのです。
それは『家事』。
食器の洗い物の様子を家事のスペシャリストがモニタリングして、
その様子や手段などに、先程の3段階の成績をつけていきます。
挑戦していたのは、主婦としても活躍されている有名な女優さんやタレントさん。
その結果に一喜一憂する様子が放映されておりました。
キーポイントは消費する水の量の多少だったり、時短だったり、
効率のいい洗剤(番組内では『重曹』)を上手く利用しているかという、
知識の部分を求められていました。
俳句や生け花という部門は、真の知識を知っている方は「才能アリ」へとなりますが、
家事に関しては、誰もが1日数度は通らなければならない道です。
日頃やらなければならない家事に付いてしまう「才能ナシ」。
才能が皆無であったとしても、それでも人間は生きてゆかねばなりません。
日常生活に近い分野での才能あるなしの判定は、
あまり触れない方がいいんじゃないのかなぁと、消沈される方を観るにつけ思うわけです。