1月12日号 『強さの定義』
貴重なお時間を割いてまで、
このような無駄文に目を通してくださいまして、本当にありがとうございます。
唐突ですが『強さ』とは?と尋ねられれば、どうお答えになりますか?
勿論、肉体的な事を挙げられるでしょう。
年末あたりから駆け込みのように放映されるボクシングの防衛戦や
男女問わず、殴り合い・サブミッションを含んだ格闘技イベントが放映され、
10数年前ほどの格闘技熱が再燃していると言われています。
鍛え上げられた上腕二頭筋やシックスパックと呼ばれる腹筋を観て、
黄色い歓声を上げている方もいらっしゃるでしょう。
ですが、今回は別の意味での『強さ』に触れた機会に恵まれましたので、
そのお話をしようと思います。
内容としてはシリアス寄りになると思いますので、面白味には欠けますが
お付き合いいただけますと幸いです。
その舞台は最近何かとお騒がせな海の向こう、アメリカです。
あと1週間ほどで新たな大統領が指名を受け、所信表明演説を行います。
世の投資家と呼ばれる方々は、その一挙手一投足に注視を怠る事もなく、
Twitter上の発言により右往左往されている始末。
仮に自分が同じような立場であったならば、心中で快哉を叫んでいるかもしれません。
とはいえ、これから手元に核のボタンが渡って押せる立場に立つ以上、
軽率な発言をするのも、ブレーンがいる以上少しは手控えられるような気もします。
しかし代議士数も竸っていた選挙ですので、根深い反対層もいる模様で
諸手を挙げて賛成する人も多くないようです。
そんな中、アメリカを代表する女優の一人、メリル・ストリープさんが
とある賞の受賞スピーチで、次期大統領を批判するスピーチを展開しました。
「ここにお集まりのみなさんはアメリカ社会で今一番目の敵にされている層かもしれないですよね。
ハリウッド、外国人、記者…」
「でも考えてみればハリウッドってよそ者の集まりなんですよね」
「ハリウッドは犬も歩けばよそ者、外国人の世界なのね。
全員追い出してたらアメフトとか、
アートとは名ばかりのMMAぐらいしか、見るものがなくなっちゃいますよ」
「一国の尊敬を集める元首たらんとする人物が、
障がいのある記者を真似て笑いものにした例の演説のことです。
富、権力、報復力、そのすべてにおいて上に立つ人間がですよ。
見た瞬間、私はなんだかもう心が粉々に砕ける思いがしました。
今だに頭を離れません。なぜならこれは映画ではなく、現実の話だからです。」
これらのコメントは訳されたものですので、真意は別の所にあるかもしれませんが、
次期大統領が推し進めようとしている事に、毅然と反対の立場を主張したスピーチです。
何という強い意思でしょう。
日本人がこんな主張を繰り広げたとするならば、
大衆に迎合する事を是としているお国柄ですから、力で潰されるでしょうし、
大人でも子供でも厳しいいじめの標的に晒されてしまうでしょう。
力で潰しにかかっても、決して折れずに自分の思った事を断固として主張する意思。
立ち向かう事に慣れていない立場からすると、
この凛とした意思の強さこそが眩しく輝いて見えるのです。