表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
216/3331

1月11日号 『オーバーラップ』

貴重なお時間を割いてまで、


このような無駄文に目を通してくださいまして、本当にありがとうございます。



君はついに 立ち上がった 血に染まった 赤いマットに


わずかに開いた 君の両目に 光る涙が 何かを語った


獣のように 挑戦者は おそいかかる 若い力で


やがて君は 静かに倒れて落ちた 疲れて 眠るように


わずかばかりの意識の中で 君は何を考えたのか


(You're king of kings)


立たないで もうそれで充分だ おお神よ 彼を救いたまえ


1970年代を代表するフォークグループ『アリス』の名曲です。


グループ名は存じ上げなくても、堀内孝雄さんと谷村新司といえば、


ご存知の方も増えてくるのではないでしょうか。


「ん?」と違和感を感じる方もいらっしゃるかもしれませんね。


見覚えが薄くなるのも当然でして、この抜き出しました歌詞は2番の内容です。


興味をお持ちになられましたら、一度検索してみてください。


懐かしいサウンドかもしれませんが、それが斬新な印象を与えてくれるでしょう。


因みに逸般人も70年代生まれではなく世代ではありません。



ご存知の通り、この曲のタイトルは『チャンピオン』です。


歌詞の趣きとしては、ベテランチャンピオンボクサーの悲哀を歌い上げた曲ですが、


今この曲を耳にして妙にオーバーラップするシーンがあるのです。


それは同じ格闘技の範疇に入るであろう『角界』の世界でした。


一昔前までモンゴル出身力士の旋風が吹き荒れ、


綱を貼っているのはモンゴル出身力士ばかりです。


それでも徐々に風向きが変わりつつあるのか、昨年は日本人力士も優勝を経験し、


徐々に時代が移り変わりつつある様相を見せています。


中でも活性化が著しいのは、平成生まれの力士の台頭を始めとする若手力士の台頭。


序盤は平幕の力士が相手で、取りこぼしは厳禁だとされている横綱・大関陣が


金星・銀星を献上する場面を観る機会も少しずつですが多くなってきたような気がします。


それもその筈、上位の番付の力士で20代はたった一人。


大半が30歳を超えており、力は徐々に衰えていくのは目に見えています。


結びの一番近くなると、横綱大関陣が新進気鋭の力士の挑戦を受けます。


あわよくば、金星を奪ってやろうと若い力でぶつかってきます。


真正面からぶつかっても若い力には敵わない事を肌で知るでしょうから、


これまで培ってきた技術を活かして勝ち星をもぎ取っていきます。


『チャンピオン』なんですから、


ボクシングでそういった感情は呼び起こされないのかと考えたのですが、


考えてみれば、現在の日本のチャンピオンボクサーってまだ20代の方が多く、


そういった悲哀を背負う世代に差し掛かってはいないのです。


勝ち負け関係なく、取り組みを終えて花道を引き上げる横綱大関陣を観ますと、


どうしてもその悲哀と『チャンピオン』がオーバーラップしてしまうのです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ