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ほんじつのむだぶん  作者: 摩耶


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12月19日号 『背に腹は替えられぬ』

貴重なお時間を割いてまで、


このような無駄文に目を通してくださいまして、本当にありがとうございます。



まずは大辞泉先生にご登場いただきまして、


『背に腹は替えられない』の本来の意味を導き出していただきました。


「差し迫ったことのためには、他のことを犠牲にしても仕方がない」とあります。


今回はその典型的なワンシーンをお届けしようと思います。


スチャラカ路線ですので、肩の力をお抜きになられまして、


めくるめく「知らんがな」の世界をお楽しみいただければと思います。



無意識のうちに目覚まし時計のアラームを止めていたのか二度寝から目覚めます。


時計や携帯・スマートフォンで盤面を確認すると、ちょうどギリギリの時間帯。


朝食を摂っている余裕なんて数分もありません。


慌ててスーツ姿に着替え、昨日から中身の入れ替わっていない鞄を引っ掴み、


ものすごい勢いで家を飛び出して、駅やバス停に向かって全力疾走します。


部屋に残されたのは、まさに「嵐の後の静けさ」といった感じの壮絶な光景で、


帰宅後「これは掃除した方がいいよなぁ…(でもしない)」と頭を掻くわけですが、


今回はその部屋ではなく、飛び出していった当人のことです。


朝からほうほうの体で間に合う電車に飛び乗ります。


一息ついて窓に映る自分の姿や、鏡を見て驚きます。


あらぬ方向へと飛び出している力強いハネが激しい自己アピールを繰り返して落胆します。


あっちゃぁと思っても後の祭り。化粧室で直すまでそのまま我慢しなければなりません。


逸般人はそのハネに常時苦しめられており、


綺麗な寝姿勢で布団に入ったとしても、妙なところにある旋毛の影響で、


どこかしらからピョコンとハネが飛び出してきます。


何とかしたいと思っているのは山々なのですが、


思っている時間帯が行きの電車内だけという短さなので、


「やっぱりオッサンでもナイトキャップっているかもしれんなぁ…」と思い直しても


すぐに忘れられてしまいます。


それでも夜という時間は必ずやってくるわけで、


寝具や布団を目の当たりにすると、「あ、しもた」となるわけです。


そうなると少なからずナイトキャップの役割を果たしてくれるモノを探すわけです。


「キャップ」ですから、勿論帽子がその代役を買って出るのですが、


軽く家探ししてみて、発掘されたのはハンチング帽とカンカン帽の2種類。


どちらかを選ばないといけません。


試しに昨日はカンカン帽を被って寝てみたのです。


ハネはそのお陰で収まっており、一応の成功を収めたのですが、


頭が大きいのかサイズが収まらないので違和感だらけ。


ヘリと枕との相性が悪くて、寝付きの良さが一気に悪くなりますし、


外に出ないとは言え、中年のオッサンがカンカン帽を被っている姿は


見事な「滑稽」の一言で、誰にも見せられない醜態です。


今日はハンチング帽を試してみる予定になっていますが、


先日の失敗から察しても、改善する兆しが見られないでしょう。


背に腹は替えられないと言いましても、これは対策を打たないとねぇと思うわけです。

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