12月15日号 『ジレンマ』
貴重なお時間を割いてまで、
このような無駄文に目を通してくださいまして、本当にありがとうございます。
まずは大辞泉先生においでいただきました。
ジレンマとは『二つの相反する事柄の板挟みになること』とあります。
英単語の1つですが、その語源はギリシア語で
「di」は「2つ」を意味していて、「lemma」は「仮設」「前提」を意味しています。
有名なアニメーションで「ヤマアラシのジレンマね」という台詞がある点から、
知っているという方も結構多いように感じます。
今回はその『ジレンマ』が主役となっているむだぶんです。
味わい的には少しシリアスな路線に向かうと思われます。
牧歌的な映像に牧歌的な歌、
大人心に郷愁の感を抱かせるような文章と、素朴な語り部。
僅か数秒間のことなのに、人の心を掴む作品があります。
歌っているのは男性二人組のデュオ。
逸般人は基本的にお酒が飲めない性質のようですので、縁遠いモノですが、
それでもこの曲が持つ美しいコーラスにに手を止めて魅入ってしまいます。
恐らくファンだという方もいるのではないでしょうか。
ですが悲しいかな時代の波長とはマッチしていないのか、あまり話題にも上らないまま、
切ない余韻を残しながら終わっていきます。
ですが状況は一気に好転します。
その曲をとある女性アーティストがカヴァーしますと、一気に話題が沸騰します。
レコード大賞にもノミネートされ、紅白歌合戦にも出場と、
その曲の著名度は一気に上昇しました。
現在でもその女性アーティストの代表曲の1つに挙げられ愛されている曲になっています。
この状況を、当初から歌い続けてきた方々の立場から見ますと
曲が有名になるのは嬉しいことかもしれません。
ですが、裏を返せば自分達の力で有名にしたかった曲を
他の方がカヴァーされたことでその著名度を上げたきっかけになってしまったのです。
アーティストの著名度の差があるのも確かかもしれませんが、
残念なことに「実力不足」という現実を突きつけられた形に映ります。
曲が1人歩きをして自分たちは置いてきぼりになっている。
「表現者」としての立場からすると素直に喜べない気がするのです。
私自身も『無駄文ライター』と自称しており、
「こんなの、誰が興味あんねん!」ともう1人の私が嘲笑されながらも
キーボードと格闘して、何の実もない『むだぶん』を綴り続けていますが、
似たような文章を著名な方が書かれ、それが話題になったりすると、
「他人の繁栄が自分の繁栄」という言葉もあり共に喜ぶことが
できる大人の行動なんだろうという建前は承知の上ですが、
ちょっとモヤッとした思いを抱えてしまうのは、
逸般人の器量が小さいから起こる感情なのでしょうか。
どんな形であっても「表現」をする立場に立っているのならば、
こういったジレンマと戦い続けるには、何事も続けることが大切だと改めて思います。