12月10日号 『なぜかできない』
貴重なお時間を割いてまで、
このような無駄文に目を通してくださいまして、本当にありがとうございます。
「生理的に受け付けないからしない」わけではなく、
「やっておかなければいけないのにできない」事ってございませんか?
典型的な一例は、コツコツとやっておけば大した量でもないのに、
やらなかった事により、月末に大慌てする夏休みの宿題だと思います。
更に残っているモノが『日記』だったとすると、
その筆の鈍重さたるや、筆舌に尽くしがたく思い出したくもない気持ちになります。
(私の小学校時代には更に『絵日記』という、
巧くもない画力を披露しなければならないという二重苦でした)
そんな「なぜかできない」に焦点を当てたむだぶんになっています。
多分スチャラカになると思いますので、リラックスしていただければと存じます。
そんなこんなで今日も「なりゆきまかせ」で筆を進めているわけですが、
こんな指摘をされる方もいらっしゃるかもしれません。
「毎日書いてるんだから、ネタはストックしてるんじゃないの?」
俗に言う出来る系のビジネスマンならば、
どんなタイミングでアイディアが浮かんでも書き留められるように、
スーツの裏側を始め、仕事をするスペース・寝室の枕の上・トイレ・
お風呂(防水仕様)のメモ帳が備え付けられてあるようです。
更に出来る系の方なら、アイディアが思い浮かんだ途端、
自宅の留守番電話の中にその内容を吹き込むという猛者もいるんだとか。
兎に角閃いたアイディアは、脳内の短期記憶アーカイヴに収納されるだけでは、
僅か数分の間に抜け落ちてしまうリスクもありますから、
妙案であろうとなかろうと、何かに形として残しておく事が大切だと説かれます。
むだぶんの大半も
こういった瞬発力芸を活かしたアイディアで身を助けてきた事も多く、
逸般人も見習わないといけないと思ってか、メモと筆記用具を常備してはいるのです。
しかし「さぁ出ていらっしゃい、こっちは準備OKよ」と
手ぐすねを引いてアイディアが湧いてでるのを待っていても過ぎるのは時間ばかり。
ふと気が付くと、1時間ドラマが始まって終わるまで
右手に収まった筆記用具と真っ白なページを目前にフリーズする始末。
とどのつまりは、23時を回って「やっべ、何も思いつかない」と
ノープランのまま社長椅子にもたれかかってジリジリする数分間を過ごします。
何も思い浮かばない1時間弱と、瞬発力芸が生まれるこの数分間。
十数強も差があるというのにこの差は一体何だろうと考えてみると、
妙に納得する結論が出てきたのです。
それは『ふと』の2文字。
1時間弱の時間は待ちの体勢であるのにも関わらず、
「何かなかったっけ…」という掘り起こしの工程があからさまに出ており、
迫って来る締切時間に焦りの色が徐々に濃くなっていき
軽々と袋小路に飛び込んでいくような感覚があります。
一方、この数分間は余計な事を考えていないからこそ肩の力が抜けているのか、
自然と何かが下りてくるようにアイディアが訪れます。
表現的にズレているかもしれませんが、
前者は、昨晩から張り込んで筍が顔を出すのを延々と待ち続ける。
後者は、ふと山道を歩いていると脇に筍が生えている。
どちらの方が精神的に楽かと言われれば、無論後者に旗が揚がるでしょう。
ですが、この『ふと』も常時山道を歩けば見つかるわけではありません。
断続的な継続のためには、前者もちゃんと組み込まないといけないんだと、
真っ白なページのまま数日感放置しているメモ帳を見て思うわけです。