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12月6日号 『紛失のメカニズム』

貴重なお時間を割いてまで、


このような無駄文に目を通してくださいまして、本当にありがとうございます。



逸般人もこのカテゴリーに入ってくるのですが、


妙に大切なモノを何処かに置き忘れてしまう事が結構多いのです。


この『妙に』のボーダーが実に絶妙で、


財布・免許証・携帯電話・現在社会で顕著になってきたUSB等といった、


本当に貴重品と呼ばれるモノは決して無くさないのですが、


無くすと結構精神的なダメージを負ってしまうモノをうっかり無くしてしまうのです。


例えば雨に降られそうになって、突如寄ったコンビニや108円ショップで、


身体に合わせてそこそこの出費で手に入れた若干大きめの傘を


買った直後、移動中の電車の中で置き去りにしてしまったり、


それを所持しているだけで、


妙に物事が好転するので大切に取ってあった0.28mmのボールペンを仕舞い込んだまま


行方知れずになってしまったり、


本名が珍しく特注で作ってもらった印鑑を、市役所の受付に置きっぱなしにして


それが銀行の実印だった事もあり、慌てて取って返したりと、


思い返すだけで、脇汗がひどい状況に陥る精神ダメージを負います。


とはいえ、これも全て自己管理能力の甘さが引き起こしている事態であり、


その度に警策(きょうさく)(禅宗で座禅中の僧の眠気や心の緩み、


姿勢の乱れなどを戒めるために、肩などを打つ木製の棒(大辞泉先生調べ))に打たれるように


気を引き締めてかからないとといつも思っては、知らぬ間に反故にされる日々を送ります。



そんなどうしようもない中年のオッサンですが、


そんなオッサンでも「これは無くしようがないだろう…」と思っているモノが見当たらないと、


どのタイミングで紛失してしまうのかと気になってしまうモノがあるのです。


それは『お箸』。


勿論買う際に、1本だけを購入される方はいらっしゃいませんので、


1膳分購入しますと、お箸は2本ついてきます。


別に「総漆塗りの一点モノにこだわっている」わけでもありませんし、


「お箸の先で蒟蒻(こんにゃく)の角が掴めるような精緻さ」を求めてはおりませんので、


108円ショップに赴けば、3,4膳ぶんのお箸は平然と売られています。


買った当初は慎重に且つ大切に扱いますから、紛失のリスクは少ないわけですが、


ふと気が付けば、ペアだったお箸の片棒が急に姿を消し寂しげに佇んでいるのです。


当然、お箸が「こんな生活は嫌っ!実家に帰らせていただきます!」と


急に足を生やして出奔するなんて現実世界では考えられないので、


普段取り扱っている私達に落ち度があるのですが、


怪我の功名というべきか、他のお箸のペアも片棒が行方知れずになり、


無くなった片棒同士が新コンビとして活躍をしてくれていると、


「ま、いっか、使えるし」の一言で思考停止へと追いやってしまう始末…


紛失した理由がはっきりしない以上、妙な気持ち悪さも介在するのです。

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