11月24日号 『Figures Magic』
貴重なお時間を割いてまで、
このような無駄文に目を通してくださいまして、本当にありがとうございます。
唐突ですが、職務履歴書を書く上で自分を売り込むために
必ず必要になってくるものは何だと思いますか?
学歴?渡り歩いた会社のブランド?それとも趣味?
確かに必要かもしれませんが、最も重要視されているのが『数字』です。
これは、私自身が昔書いた職務経歴書の自己PR文章の一部です。
『『通常業務時には極力、ミスが起こらないようにする』ことを重視し、
メンバー同士のダブルチェックだけではなく、業務の流れを他のメンバーに理解してもらうため、
作業手順を時系列でまとめ、それで生じた空き時間を、メンバー各員のスキルアップや
監視業務の精度の向上に利用できるように努めてきました』
これでは実際の就職活動の書類審査の段階ですぐに落とされてしまうでしょう。
何故か?それは内容が物凄く漠然としていて、実績として認められないからです。
それがキャリアコンサルティングの方の手にかかると、一変します。
『空き時間を利用して更に紙媒体で行ってきたチェックシートをデータ化できないかという
要望を受けて、Excelを基盤としたマニュアルの作成を完成させるきっかけとなり、
チェック漏れなどのミスが0に近づくチームとなりました。
空いている時間を利用しまして、 受験経験のある私が講師役として、
7名の有志を集めて基本情報技術者の資格取得に向けた講義を行い、研鑽を積んだ結果、
7名の有志全員が試験に合格し、資格の取得に至りました。』
数字というものが、どれだけその書類を見る方に強い説得力を与えるのかが一目瞭然です。
抽象的な言い回しを一気に具体化させるのは、
数字を見せるのが最も有効な手段と言えるでしょう。
長々と、且つ逸般人の職務経歴書の一部をご紹介しましたが、
ここから路線は一気にスチャラカへと傾いていくのです。
本日も話題となっていましたが、年末恒例といえば年末ジャンボ宝くじでしょう。
今回は1等前後賞を合わせると10億円と、
周りのくじ的なモノの1等価格が釣り上がるのに呼応してか、
まさに『青天井』と表現されても過言ではないモンスターに化けております。
「1等当たったらどうしますか?」という定例且つ少々品のないインタビューに、
当たった気持ちになって胸を躍らせる方がいる一方で、
高額当選を受けたが故に破滅の道へと身を踊らせていく方の話も聞き、
当たらない方が案外幸せなのかもしれないなぁと思ってしまうわけです。
逸般人としましては、そんなに超高額の的中はいらないので、
100万円ぐらいでいいかなぁという小悪党っぽい考えに至ってしまうのですが…
そんな宝くじを取り扱った話題で誰かがこんな台詞を言いました。
「隕石に衝突するのと同じような確率だそうですよ、宝くじに当たる確率は…」
文言を額面通りに受け取ると、途轍もない確率で当たらない事を表現しています。
しかし数字がないこの表現は抽象的であり、
だからこそ当たらないという印象を抱かせているのですが、
この台詞に対抗して、宝くじのコマーシャルでこんな文言がありました。
「宝くじの1等に当たる可能性は、1/4096です」
分母の数字はうろ覚えなので少々齟齬があると思いますが、数値化されていたのです。
この2つを並べた時、新たな可能性も出てきますよね?
そうです。「隕石に当たる可能性は1/4096」という仮説が導き出せるのです。
他のモノと比較をしてみましょう。
パチスロで当たる確率は機種によりけりですが、1/250~1/400。
パチンコで呼ばれるMAXタイプの台でも1/399(旧世代機)。
そして宝くじの1等に当たる可能性は1/4096。
数字化する事で妙に生々しく感じられませんか?
「こんなもん、当たるわけないやん」と一笑に付していた方も、
「4000人に1人の確率で1等が当たるんならやってみてもいいんじゃないかなぁ…」と
妙な欲が掻き立てられると思いませんか?
数字のマジックを利用したこういった手法は、強かで上手いと思えてしまうのです。
余りにも生々しい数字が残ったので、
怖いと感じたら、避難袋のヘルメットを強化したほうがいいのかもしれませんね。