11月23日号 『途方もない喚起』
貴重なお時間を割いてまで、
このような無駄文に目を通してくださいまして、本当にありがとうございます。
シリアスとスチャラカとのバランスを取るために、
ほんじつのむだぶんは少々シリアスな方面に舵を切っていこうと思います。
今回のテーマは『喚起』。
大辞泉先生にご登場いただきますと、意味合いとしては、
「呼び起こすこと 呼び覚ますこと」と明記されています。
噛み砕けば、注意を喚起する=注意を呼び起こすといった感じでしょうか。
今回は個人のレベルではどうにもできないんじゃないかと思えるような話題に触れようと思います。
そろそろ年末に向けてのスタートが切られているようですね。
その代名詞と思われるのが、
歌謡祭と呼ばれる歌番組の特番や紅白の司会者発表などが挙げられますが、
それに並列として挙げられるのが、「2016年総決算スペシャル」
この1年間に起こった出来事を総ざらいにした特番がクイズ形式など
誰でも視聴に耐えうるように装飾されて組まれ始めます。
カレンダーに目を転ずれば、今年ももう40日を切っており、
どんな立場の方でも年末に向けて忙しなくする準備を始めているかもしれません。
そんな中、こんな番組がありました。
「今そこにある7つの危機を考える!ニッポンが“危ない”」
よくある注意を喚起する特番で、パネラーの方々の質問に対して、
識者の方が理解がしやすいように噛み砕いていく番組です。
機会に恵まれずに拝見はできなかったのですが、
今の日本を取り巻く色々な問題が取り上げられている模様でした。
こういった番組の有難い所は、一般人が普段眼を向ける事の難しい問題を、
限られた時間で出来うる限り紹介してくれる事で、
少しでも視野が広くなる手助けをしてくれている点であり、
その問題に対して個人個人が真剣に考える時間を少しでも作れる点だと思います。
そこで問われるのは『知的体力』。
例えば地方議員の使途不明金問題。
そこで「けしからん」と腹を立てて終わりにするのではなく、
では具体的にどうすればそれを防げるか、その方法は本当に効果があるのか、
反論があった場合どう対応するべきか…ここまで常に考え続けられるか。
その考えを起こす緒になる方もいらっしゃるでしょう。
一方、考え続けられる話題ならいいですが、その問題が途方もないレベルの問題になった時、
その問題の大きさに、何も考えたくはなくなる思考停止に陥る恐れがある点です。
例えば先日もありましたが、地震や異常気象などの危機を目の当たりにすると、
我々としては「あれ?非常袋確認しなくちゃ…」だったり、
「避難場所は○○の小学校だから忘れないようにね」と話し合ったりします。
しかしそれが別の問題、例えば『外交』だとしましょう。
領土問題やミサイル問題等、この国を取り巻く環境は日々大きく変化します。
それに向けて私達が具体的に行動を起こしてそれを阻止する手立ては
私自身に学がないから思いつかないのかもしれませんが、ないように思えます。
ミサイルが飛んできた時に、我々が出来る事はありません。
誰かが攻めてきた時に自衛のために拳銃などを常備する事はご法度です。
個人の出来うる最大限の行動は「投票行動」しかありません。
私達はそんな脅威に晒されながらも、
現在を生き抜いていく為の生活を一所懸命送る事しかできないのです。
こういった途方もない喚起は、
受け取り手側に大きな「怯え」を植え付けているだけにしか映らないのです。