6月24日号『苦渋』
貴重なお時間を割いてまで、
このような無駄文に目を通してくださいまして、本当にありがとうございます。
今日はちょっとシリアスな『むだぶん』を1つ。
といっても、真っ暗な内容にするつもりはありませんのでご安心ください。
世間の話題は前都知事の辞任劇の過熱さがあっさり引いて行き、
本来問題視されている筈の「政治とカネ」の問題が、あっさり忘れ去られ、
今の話題と言えば参議院議員選挙一色へと染まりつつあります。
今回の選挙の目玉と言えば、言うまでもなく選挙権の引き下げによって、
高校生まで選挙行動が取れるという所でしょう。
増える票数は約240万票。
「1票でどうにかなるわけない」と投げ棄ててしまうよりは、
現時点で考えられる事を精一杯考えて、
その考えに完全に一致する人はいないかもしれませんが
近しい人に投票して欲しいと思います。
そんな中、大きな印象を残したニュースが飛び込んできました。
イングランドの国民投票でEUからの離脱へと舵を切りました。
流石に経済は迅速で、急激な株価の下落と円高という反応を示しました。
とはいえ、簡単に「はい、そうですか。それじゃさよなら」とはいかないようで、
調べてみると最低でも2年はかかるだろうという認識が示されているようです。
と、経済学者でもない逸般人が言っても門前の小僧。
専門家に適う訳もありません。
注目したのは、「離脱」と「残留」の投票率の差です。
投票率も70%を超え、日本の視線からすれば高水準で羨むばかりですが
最終集計で「離脱」に集まったのは51.9%。「残留」に集まったのは48.1%。
その差は僅か約4%の決着でした。
これほど「苦渋」が見え隠れする選挙結果も珍しいものです。
100対0を選択するのならば、誰だって100を選ぶでしょう。
ですが最も難しいのは51対49となった時、
本当に51を選ぶのが正しい選択だったのかという点です。
それに近しい事が実際に日本でもありました。
『大阪都構想』の是非を問う住民投票で、49.62%対50.38%。
票数としては1万1千票差で否決されました。
投票率が1%でも上昇していれば結果がひっくり返っていた程の僅差でした。
その後に行われた府知事と市長選挙では、
都構想を推進していた候補が他の候補を圧倒して当選されました。
この結果を受けてからその否決劇を眺めると
「あの苦渋の結果は何だったんだ?」と選挙自体に疑問視させてしまいます。
そんな「51対49」に近しい事が、
こんなに短いスパンで起こってしまうとは思ってもみませんでした。
その1票が大きく物事を動かす。
軽々に1票を扱わず、苦渋に苦渋を重ねた選択が求められているのでしょう。