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11月5日号 『余程だったようです』

貴重なお時間を割いてまで、


このような無駄文に目を通してくださいまして、本当にありがとうございます。



『来年の話をすると鬼が笑う』


今ではめっきり言われる機会の少なくなったフレーズだと思います。


あらぬ誤解を招かないように、大辞泉先生にご登場いただきますと、


「実現性の薄い事や予想のつかない事を、からかっていう言葉」と紹介されています。


冒頭で申し上げました『来年の話をすると鬼が笑う』でワンセットとして扱われている感じですが、


実際は『鬼が笑う』という慣用句で表現されています。



昨年の今頃が事の起こりでした。


父がいきなり「1点」と書かれたラベルがくっついた袋を手に、


「これ出してくれ」といきなり切り出してきました。


見るとそれは某大手のパン製造会社が年に数回行っているキャンペーンのシールでした。


点数を集めると抽選で素敵なプレゼントが当たるという、よくあるモノです。


昨年の特賞は千葉県にあるのに、


『東京』と銘打たれている有名テーマパーク(確か海の方)の一日宿泊チケット。


奈良の田舎から見るとかなりの遠出となり、リアリティが薄く感じる始末。


「ホンマに○○点も集めんのこれ?」と疑り深く父を見ていると、


「アホ、そっちちゃう。こっち」と指した先には、B賞の項目。


『B賞 お菓子詰め合わせセット(○点)』と書かれていました。


確かに特賞と比較するまでもなく、月とスッポン以上の隔たりがあります。


その証拠に特賞の当選本数が数本に対して、このB賞の当選本数は4万本。


「こんなん誰も送らへんから、貰ったも当然やで」と父の鼻息は荒くなる一方です。


確かに対象が47都道府県限定を考えると、


40000÷47≒851.1(小数点第二位四捨五入)人と


1都道府県あたりの単純計算でも結構な当選者数になり、


僅かながらであってもリアリティを感じられる数字が出来上がります。


もう既に当選した事を想定し、


約1ヶ月半後あたりにやってくるであろう詰め合わせを勝手に想像し、


「来年の正月のお菓子代は考えんでも良くなったわ」とドヤ顔をする父。


「そんな甘いもんじゃないだろうに…」と思いつつも、


その熱い要望を受けまして、1口応募したのが去年の今頃でした。



そして、鬼が笑った今年。


『商品の発送をもって替えさせていただきます』の文言を信用していたのですが、


待てど暮らせど、詰め合わせセットが我が家に届けられる事はありませんでした。


まぁ、考えてみればわかる事で、


特賞の抽選に漏れたからといって、それが他の賞の対象外になるという事はないでしょう。


全ての応募総数から40000本の当選数を選ぶとなると、


あっという間に狭き門へと様変わりしていくものです。


たった1口の応募が当たるというのは考えられないまま、今年もこの季節がやってきました。


渇望していたお菓子セットが抽選漏れだったという結末に、よほど腹を据えかねたのか、


「じゃぁ、これな」と手渡されたのが、2口分の応募シール。


「今年は2口応募するんやから、流石に当たるやろー」と息巻く父に、


「当たるといいっすねー」と流し気味に返答をしながら、小さく溜息をついてしまうのです。

更に後日談…


父「『商品の発送をもって替えさせていただきます』っていう文言が気に入らんわー


  当たったか外れたか直接電話して確認したろうかな…」


平身低頭してそれだけはやめてくれと、何とか押しとどめる始末…


そこまでされると、当ててくれーと願わざろう得なくなってしまいました(汗

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