11月4日号 『くわー 言ってみてぇー』
貴重なお時間を割いてまで、
このような無駄文に目を通してくださいまして、本当にありがとうございます。
唐突にこんなモノが発掘されました。
『特選 熱血セリフ集』
学生時代、テーブルトークRPG(略称:TRPG)に興じていた時期がありました。
下の部分のRPGというのは、巷のある
『ドラゴンクエスト』や『ファイナルファンタジー』といった
RPGジャンルのゲームを指し示す言葉です。プレイされた事のある方もいらっしゃるでしょう。
その頭文字にあるTの部分はと言いますと、
掻い摘んで説明しますと、
RPGゲームの中で、悪党を退治します。
そのキャラクターがこんな台詞を口にします。
『もう悪い事はしねぇから、許してくれよ!』
これに対して小さなウィンドウが開き、『はい』か『いいえ』の選択肢が与えられます。
ですが、『はい』を選ばないと『そんな事言わずに助けてくれよ!』の台詞が延々と続き、
無限ループから逃れる事ができません。
つまり、組まれたプログラムの上でストーリが繰り広げられ、相手は機械になります。
TRPGはその相手がGMという人間に変わりますので、
こういった展開にもしようと思えばできるのです。
GM「お、倒した。そこで『もう悪い事はしねぇから、許してくれよ!』って言ってる」
PL「『お前の所業を許すわけにはいかない!』」
GM「『そんな事言わずに助けてくれよ!』」
PL「『お前を生かして苦しむ人の姿をこれ以上見たくない!』
なぁ、GM、次命乞いしてきたら容赦なくいくからね…」
GM「了解。じゃぁ、『これを最後に足洗うから許してくれよ!』」
PL「『くどい!』と言い切って止めを刺す」
GM「じゃぁ、息絶えたって形でいいよ」
この場合、『いいえ』の選択肢を選ぶ事で物語は進められるのです。
演劇のエチュードにも近い感覚があるでしょうか。
キャラクターの台詞を言うのにも苦心していた当時の逸般人を哀れに思ったのか、
友人が「これを頭に叩き込んどけ!」と檄と共に渡されたものでした。
今眺めてみても、クサイ台詞のオンパレードです。
『戦うのが好きなんじゃねぇよ 勝つのが好きなんだよ』
『男の闘いには、勝ち負けよりも大切なものがある』
『オレは英雄なんかじゃない 人よりちょっと勇気が長続きするだけさ』
『人は英雄に生まれない 英雄になるのだ』
例として4つ挙げましたが、思わず全身がむず痒くなってしまう代物ばかりです。
今のご時世そんな台詞を言える場は、ほぼ設けられてはいないでしょうが、
その中で、何時かは無理をしてでも言ってみたくてウズウズし、
何時でも発せられるようにと準備がされ続けて言葉が1フレーズ存在します。
それが『かけられて嬉しい迷惑もあるから』
誰かに何か頼みごとをする時に、「迷惑じゃないかな?」と不安になります。
私もそうですし、皆様もそう感じる方も多いと思います。
ですが、頼られる側に立てば自分のスキルが役に立っているのですから
やはり嬉しい気持ちが先行します。
そして「迷惑じゃないですか?」といったニュアンスが見られれば、
爽やかに笑って「いやいや、かけられて嬉しい迷惑もありますよ」とサラッと一言。
オトナの格好良さがふんだんに盛り込まれた素敵な台詞です。
人生1度でいいから、楽々とこの台詞が言えるようないい大人になりたいものです。