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10月23日号 『地味に痛い』

貴重なお時間を割いてまで、


このような無駄文に目を通してくださいまして、本当にありがとうございます。



只今、逸般人は苦悶の表情を浮かべています。


物理的にこれから痛いモノに直面する時、


人間は「痛いのは知ってるから、ちゃんと準備しないと…」と


感じて痛みに耐えようと身構え、その結果痛みに直面しても、


大人であればポーカーフェイスを貫く事が可能です。


典型的な一例が『注射』だと思います。


これから流行するであろうインフルエンザへの抵抗力を高めるための予防接種から


点滴・献血・血液検査・海外渡航などでのワクチン接種などで


血管に針を刺される機会が多いという方もおられるかもしれませんね。


私も多分に漏れないのですが、あの接種直前の恐怖感は拭い去る事ができないまま、


注射というのモノに対しては苦手意識を抱えたままです。


その一方、予期せぬ所で突如やってくる痛みに対しては、


全く警戒してはおりませんので、受ける痛みや衝撃は想像以上に大きく感じられます。


よく使われていた表現としては『箪笥の角に小指をぶつける』


わざと箪笥の角に吸い寄せられている訳でもないのに、ぶつかる小指。


その頻度が仮に年に1度だったとしても、


「いったっ!またやった!」と避けられたはずの痛みに直面し、


悶絶しながら自分を責める時間が1分弱ほど経過してしまう。


身体よりも心に負うダメージが大きいのが、予期せぬ痛みの大変な所です。


苦悶の表情は後者を味わったから生まれた表情です。



いそいそとキーボードを叩く音が部屋を支配します。


目標としていた10万字以上の作品を月末までに仕上げるという目標は、


物理的に不可能な所まで差し迫ってきてしまいましたが、


絶望的だからといって、指を止めてしまうというのも忍びないので、


打ち込む時間を少しずつ伸ばしながらも、1字でも目標に近づくために


懸命にタイプミスと四つに組み合っていました。


瞬きが減っていく瞳・徐々に呆然としてしまいそうになる頭脳・


乳酸がたまり、疲労感が染み込んでくる両指に叱咤激励を飛ばし、


大きな段落の一括りに向けてラストスパートをかけ続けます。


そして一定の予定稿まで書ききれた瞬間、達成感と共に、


勢い込んで「Enter」キーに右の薬指を叩き付けます。


自室での打ち込みでしたので、音にクレームをつける人は誰もいませんので、


タァン!と若干大きめの音が部屋中に鳴り響く予定でした。


そう…予定だったのです。


逸般人はその瞬間失念をしておりました。


パソコンのスペックもオンボロであると同時に、キーボードもオンボロで、


大きな「Enter」キーを支える金具が、機能せずに凹む事が頻繁にあるという事実に…


タァン!という軽快な音と共に、薬指に走る鈍痛。


その予期せぬ鈍痛に思わず出てしまった「ぬあっ!」の声。


もうご理解いただけるかと思いますが、盛大に突き指をやってしまったようです。


どうしてもう少しソフトタッチにできなかったの!と数秒前の自分を責めようとしても、


既に後の祭りで、患部を冷やしながら天井に掲げ、


客観的に見て、怪しいおまじないのように部屋中をグルグル徘徊する始末。


ですが時間は待ってはくれず、「むだぶん」の締切は迫る一方。


苦肉の策として、パソコンデスクの上にキーボードを置き、


自分は煎餅布団の正座してキーボードを打ち込むという、


無駄だと思っている身長と座高を活かしたバンザイの格好での執筆体勢になっています。


一言で表現すれば、


マイケル・ジャクソンの『Thriller』の振り付けに似たポージングです。


キレッキレのダンサーがやると様にもなりますが、中年のオッサンのポージングですから、


どこからどう見ても「カッコ悪い」ことこの上ありません。


明日には治っていて欲しいなぁと思う、36の夜…

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