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10月10日号 『止まってくれないで』

貴重なお時間を割いてまで、


このような無駄文に目を通してくださいまして、本当にありがとうございます。




10月10日が「体育の日」。妙に懐かしい響きですね。


それを祝うかのように、3連休の最終日は先日と打って変わって好天に恵まれました。


先月の終盤あたりから続いていた蒸し暑い日々も、


今となっては遥か昔のように感じられるほど、一気に秋めいてまいりました。


所々では初冠雪であったり、氷点下だったりと


まだ遠く霞んでいる冬の気配もチラホラと見られるようになりました。


考えてみれば『立冬』まで残り1ヶ月を切りましたし、


本格的な冬への準備運動を徐々に始めないといけない頃合になってきました。


学生的には運動会、一般的には行楽シーズン真っ盛りではありますが、


世間からも逸脱している逸般人が、基本的に出不精なのでその恩恵に与る事はありません。


とはいえ、こんな清々しい日は外への憧憬の念を掻き立てたのか、


自転車でフラッと外へ出掛けたのです。



いつも使う道は片側一車線で、車が良く通る道路でしたが、


小回りの利く自転車ですので、敢えて細い道を選んで疾走します。


片側からは小学生の黄色い歓声が飛び込んできます。


得点ボードを見ると接戦模様で佳境に飛び込んでいくのか、ボルテージは高まる一方です。


反対側からこの時期特有の草の香り。


それに釣られて首を向けると、コンバインに乗った老夫婦が稲刈りをしています。


この草の香りも今年最後だと思うと、この青臭い香りも愛おしくなります。


そんな細い路地を走っていると、気配のない伴走者が逸般人を追い越していきました。


その正体はトンボ。


周辺を見渡すと所々に5,6匹が気侭に空を滑っています。


しかし、そこで逸般人の闘志に火がつきました。


結構なスピードで走っているのに簡単に交わされてしまったのが癪に障り、


「これは差し返したい」という思いから、脚に力をこめてトンボを追います。


滞空している時は止まっているので追いつけるのですが、滑空すると突き放される。


そんなやりとりが数度繰り広げられましたが、程なく決着の時を迎えます。


滞空したタイミングで追いついて交わしたと思いきや、


ぴと。


左肩を何かに掴まれた感覚が現れます。


不思議に思って肩に目線を送りますと、トンボの複眼と目が合いました。


幼い頃は平気だったモノが苦手になる典型的なモノ、それが昆虫。


思わず叩き潰そうと手を出したのですが、どうにか思い止まり、


肩を揺らしたり振動を与えてご退場願おうにも、中々強情で飛び去ってくれません。


羽を掴もうにも片腕運転はやはり危険がつきもの。


感覚がなくなるまでは、こちらが我慢するしかありません。


暫くしたら満足した様子で、飛び去っていかれましたが、


目を合わせぬまま冷や汗を流す緊迫の時間を味わう事になりました。


不意打ちで止まってくれないで…(汗

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