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それは突然に。

第三話です。

訳のわからない所がありません。

そこは目を瞑って御覧ください。

「まったく、遅れるならメールしてくれればいいのに。全員のメールアドレス知ってるだろ?」

と井上がポテトチップスを食べながら話す。

「しょうがないだろ。俺の携帯、充電が無かったんだから。あと、それ俺のポテチだぞ。」

わざとらしく言いながら、白河が自分の席に座る。

彼のワイシャツは汗でびちょびちょだった。

真夏に全力疾走すればこうなるのは当然である。

「だけど、それなら誰かに言えば良かったんじゃないのか?どうなんだ?」

と浅野が睨む。

白河は少し動揺したがため息を吐きながら

「正直、面倒だったんだよ。お前らの内一人を探すよりも買い物しに行った方が早いと思ってな。」

と言う。

浅野はダメだコリャとジェスチャーをしながらため息を吐く。

「部室に来れば誰か居ると思ってなかったんですね。やはりダメ部長ですね。」

と巌がさりげなく毒を吐く。

はいはいと白河は諦めた顔で聞き流しながら

「ちなみに、このお菓子のお金って、」

と自分が買ってきた数々のお菓子を指差す。

すると三人は当たり前のように言った。

「遅れてきたから、全額白河持ちな。」

「当然、お前持ちな。」

「部長なんですから払えますよね?」

白河はそうだと思ったよと小声で言いながらお菓子をひとつ取る。

開けようとした時だ。

「そう言えば、飲み物はどうしたんですか?」

と巌が言う。

開けようとした動作のまま、白河は

「飲み物か。ああ、忘れたわ。すまんすまん。」

と言う。

すると浅野がにやけながら言う。

「マジか~、忘れちゃったか~、なら自販機に買いに行くしかないな~。誰が買いに行ってくれないかな~?」

するとそれに続くように他の二人が

「じゃあ、俺が行くよ。」

「いや、私が行きますよ。」

とのってくる。

この展開は……そう思った時、

「いやいや、俺が行くよ。」

と浅野が手を上げる。


三人の視線が白河に集中する。

周りからざわざわと聞こえてくるくらいの沈黙が部屋を包む。


はあ~と重いため息を吐きながら白河が席を立つ。

「分かったよ、分かった。買ってくればいいんだろ?その代わり、全員スポーツドリンクだからな。」

お願いします~と言う部員の言葉を背中に受けながら白河は自販機に向かった。



「まったく、あいつらは部長に対する態度がなってないよな……部長をパシリにするとかあまりにも酷すぎるでしょ?」

と白河は愚痴をこぼしながら自販機の前に居た。

五百円を入れると、同じスポーツドリンクを4つ買う。

そして、その内1本を激しく振った。

中の飲み物が少し泡立った。

これが白河のほんの少しの反撃である。

白河が満足して部室に戻ろうとした、その時。

「もし、そこのあなた。」

後ろから声をかけられた。

思わず身体がビクッとしながらも後ろを見ると、そこには夏に似合わない格好をした女性が立っていた。

髪は綺麗な金で、日傘のような物を持っていた。

妖艶な雰囲気を漂わせていたが、それと同時に不気味な雰囲気もあった。

白河は一目でこの女性が只者ではないことが分かった。

「俺に何か用ですか?」

警戒心満々で聞くと、女性はフフフと微笑むと言った。

「あなたにも用がありますが、あなたの御友人にも用がありますわ。」

「え?それっていったいなんで、」

「それは『あちら』でお話ししますので。ではごきげんよう。」

その言葉を聞いた瞬間、白河はほんの少し浮遊感の後、落下し始めた。

突然の出来事でパニックになった白河が見たのは辺り一面に広がる『目』だった。

その『目』のあまりの不気味さに耐えきれず、白河は意識が朦朧とし始めた。

そして、意識を手放す瞬間、

「ようこそ、『幻想郷』へ。」

とだけ聞こえた。




ーーーーーー続く。

第三話終了です。

次回からは幻想郷での話となります。

現在、誰を出そうか迷っております。

候補としては、

・博霊霊夢

・上白沢慧音

・魂魄妖夢

となっています。

要望がありましたらご自由にどうぞ。


では来週の木曜日までお元気で。

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