34.アベルくんと冒険者の互助会の話。
34.アベルくんと冒険者の互助会の話。
次は冒険者ギルドの番だね。
冒険者ギルドの支部がノヴァリス王国にいくつ点在しているかは知らないんだけど、よく聞くのはヴァレンティア支部が一番デカいんだとか。
やっぱり深紅の大穴で一旗揚げたいと思っている冒険者が多いんだろうね。
冒険者ギルド・ヴァレンティア支部への登録人員、二万六千人の内、稼働人員八千人。
これだけの人数が動いていれば、そりゃデカくなるよ。
ちょっとした男爵領より人口多くね?
稼働していない一万八千人は何をしているかって?
多くは引退か早々にドロップアウトした連中だよ。
引退するからってわざわざギルドに届けを出す必要もないしね。
前世日本の老人のように、引退するからって免許を返納に来るような人はいないんだ。
ヴァレンティア市内に大きな支部があり、さらに出張所が市内に点在しているんだって。
全国一大きい支部だといっても、この人数は捌ききれないってことなんだろうね。
ヴァレンティア支部の職員人数は八百五十人で、この人数でギリギリだと冒険者ギルド長のおっさんが言っていた。
無意味な計算かも知れないが、ザックリ九・五人を一人で捌かなければならない。
勿論八百五十人がすべてカウンター人員ではないので、一人で冒険者を捌く人数はさらに多くなる。
まさに人員不足って奴だ。
冒険者等級は次のとおり。
S > A > B > C > D > E > F
S級の冒険者はノヴァリス王国には存在しない。
英雄と呼ばれるような人だけに贈られる名誉級なんだってさ。
A級は国内に十人程度。
人数はキッチリ十人とかって決められているわけじゃなくて、その時々によって前後するからね。
いろんな冒険を経て、名を馳せた人達がなれるんだそうだ。
国内外でも名前が知られて、スター扱いだ。
二人共引退したけれど、ローランド父さんと、アリアンナ母さんはA級だ。
最近は、ローランド父さんの剣術の修練や、アリアンナ母さんとロッティーの魔法の修行を見ているから、二人共凄いんだなぁってわかってきた。
B級は国内三百人程度。
選ばれた冒険者たちになるんだろうね。
C級は三千五百人。
ベテランと新進気鋭の冒険者がここに集まる。
D級の人数は把握されていないが、D級になれれば一人前。
深紅の大穴にも入れるようになるから、本格的に稼げるようになる。
E、FはDに上がるまでの初心者。
初級、中級者向けダンジョンに潜ったり、各種依頼を受けたりして、依頼料とポイントを稼ぐしかない。
下手なダンジョンに潜って坊主を引くより、地道な依頼をこなして依頼料とポイントを稼ぐほうがいいと思うのだが、ここで諦めてしまう冒険者が一定数居る。
誰だって下積みは嫌なものなんだが、こらえ性が無い奴らが居るってことだな。
仕事が合わない問題はこの世界にもあるようだ。
まあ、こんな感じかな。
冒険者の仕事は次のとおり。
・ダンジョン探索及び魔石採取とドロップアイテム採集。
・商人の護衛。(依頼者:商人or商業ギルド)
・郵便配達。(依頼者:商業ギルド)
・インフラ整備(清掃など)(依頼者:領主)
・市民からの依頼。
これがメインかな。
ヴァレンタイン辺境伯領内にあるダンジョンは大小十三カ所ある。
一番大きいのが「深紅の大穴」と呼ばれるダンジョンで、ここに入るためにみんなヴァレンティアにやって来るんだけれど、入れるのはD級以上。
何故か?
魔物の数が多く、様々な種類の魔物と出会う確率が高いので、危険だから。
他のダンジョンなら魔物の系統が一定なんだよね。
虫系統、鬼系統、とかってね。
だけど深紅の大穴は全部が出てくる。
魔物に慣れていなかったり、対策を怠っていたりすると、あっという間に全滅してしまう。
虫には慣れていたけど、動物系統は対策しなかった。
またその逆も然り。
だからね、深紅の大穴以外にも十二カ所の初心者用からある程度の上級者用ダンジョンがあるんだけど、稼ぐというより修行用なんだってさ。
これらのダンジョンでも、ある程度魔石も出るしドロップもあるから、儲けることも出来るらしいけどね。
でも初心者ならダンジョンより他の依頼を受けたほうが良いんだってさ。
命を落とす確率が低くなるからね。
商人の護衛は街道に現れる、動物が変異した魔獣や、山賊、盗賊に対しての護衛だね。
ある程度対人戦が求められるから、初心者向けじゃないみたい。
郵便配達は、商業ギルドで紹介したとおりのお仕事。
インフラ整備は、ごみ収集や側溝の掃除など、まあ初心者向けのお仕事ね。
けど、これらは大事な仕事だから、おろそかにしないでほしい。
市民からの依頼はそのまんまだよね。
大工の雑用だったり、爺ちゃん婆ちゃんの介護の手伝いだったり、様々なものがあるみたい。
中には依頼料が高いものもあるから、バカには出来ないんだってさ。
冒険者ギルドの紹介はザックリこんなもんだね。
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