32.アベルくんと商業ギルド。
32.アベルくんと商業ギルド。
領内のギルドについても話そうか。
一つ目は商業ギルド。
主に商人たちが集うギルドだね。
各種情報収集及びその公開。
相場の収集や、街道の通行事情だったり、山賊の出没情報だったりね。
以前、大規模な山賊が出没した時に商業ギルド長が城にやってきたのもこの関係だ。
あとは郵便事業と貸金業(銀行)と為替。
郵便事業は預かった手紙の行き先によって、街道沿いの街なら行商人が運び、僻地だったら冒険者に委託なんてことをしているらしい。
もちろん冒険者を雇うと、それなりに輸送コストが高いのは仕方ないね。
貸金業はまんま、お金を貸す仕事。
貯蓄もできる。
前世の銀行と同じだよね。
利率は決して高くはないとかなんとか。
本当かどうかは今の俺にはわからない。
運用はやってんのかな?
先物とか株があるとかは聞いた事がないな。
でも相場の収集もやっているから、先物取引はあるのかもしれない。
為替はこの国も紙幣がなくて貨幣制度なので、大量の貨幣を持ち歩けない商人が主に使用している。
為替の手数料は1分だってさ。1%か。
こんなものなのかな?よくわからん。
商人同士の手形の割引もやってるね。
まあ、金融全般ってわけだ。
最後に各種工事委託。
これはヴァレンタイン領内だけかもしれないが、街道や城壁の工事を一手に引き受けている。
それを労働者に振り分けて各種工事を行っているわけだ。
力作業だったり、魔道具使ったり、魔法で道を作ったり。
魔法で土を出してレンガのように固くするんだそうだ。
土をイメージできるって何気にすごくね?
俺にできるかな?
試してみよう。
ローズの親父さんが城壁の工事をしてたって聞いた事がある。
公共事業は街の金回りに必要だからね。
ローランド父さんもよく考えているんだろう。
というわけで、商人同士の互助会かと思ったら、やけに手広くやっている。
特にヴァレンティアは辺境一の都市だから、おのずとギルドの事業も大きくなるらしい。
領内が潤うなら大歓迎だけどね。
ついでだから貨幣の説明もしちゃおう。
この世界にも金銀銅が有って、それが貨幣に使われている。
ランクは次のとおり。
大金貨>金貨>大銀貨>銀貨>銅貨>小銅貨>銭貨
という感じ。
小銅貨10枚で銅貨1枚。
銅貨10枚で銀貨1枚。
てな感じで10進法で進んで行く。
問題は物価と貨幣の価値だ。日本と比べてどんなもんなのか。
やっぱり、円で刷り込まれた貨幣価値はなかなか抜けないからね。
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