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ローズの回想7

シャーロット様は両腕を下ろして


 「ふう。」

 

 と言うと


 「ローズはお城に来たばかりなのでしょう?勉強もいいのだけど、リサ、その前にお城の案内をしてきたら?」


 シャーロット様はおっしゃいました。


 リサは少し驚いた様子で


 「はい、そうですね、お嬢様。それでは、ローズを連れてお城の中を案内してきます。」


 と言い、私を見て頷きました。


 「お城はとても広いから、少し時間がかかるかもしれない。」


 とリサが言うと、私は


「大丈夫!いろんなところを見てみたい!」


 と元気よく答えました。


 リサは


 「じゃ、行こう。」


 そう言って扉の前まで進みでてから、シャーロットお嬢様の方を振り返り


 「それではお嬢様、失礼いたします。」


 と言ってお辞儀をしました。

 そして私を見て


 「何してる、行く。」


 と言って目配せをしました。


 私はあわててお嬢様に


 「失礼いたします。」


 と言いながら、ペコリとお辞儀をしました。


 「あ、そうだ。帰ってくる時におやつを持ってきてね。」


 そう言ってシャーロット様は微笑みました。


  リサを追って部屋を出ると廊下を進んでいきました。


 廊下の壁には、絵画やタペストリーが飾られていて、どれも美しくて目を引きます。


 「これらは歴代の辺境伯様方を描いた絵。そしてこれが辺境伯領が聖王国との戦地になって、王国軍と辺境伯領騎士団が共同で戦い、勝利した時の絵。」


 とリサが説明してくれます。


 「争いがあったのね。知らなかった。」


 私は立ち止まって迫力のある絵画を見ながら


 「はぁ」


 と口を半開きに見とれていると


 「まだまだ見どころはたくさんある。行こう。」


 そう言ってリサは私の手を引っ張るのでした。


 リサに手を引かれながら


 「このお城には、どんな部屋があるの?」


 私は興味津々で尋ねました。


 「お城には、御領主ご夫妻のお部屋、シャーロット様のお部屋、ご隠居様のお部屋、御領主様の書斎、大広間、謁見の間、客間、会議室、食堂、炊事場、私たちの休憩室になっている談話室。さっき行った子供部屋、そして使用人たちのお部屋とか、まだまだあるから今日全部は周れない。御領主様のお部屋とかは、担当のメイド以外あたしたちが入っちゃいけない部屋だから行かない。それと牢屋も。そしてお城の外には庭園もある。騎士様たちの訓練場とか。離れには図書室、たくさんの人が集まる場所もある。」


 と、リサは教えてくれました。


 「牢屋もあるんだ…」


 と私が言うと、


 「ヴァレンティアは大きい。人も沢山いる。ということは悪い人も沢山いるってこと。巡回の騎士様たちが時々捕まえてくる。」


 とリサは言いました。


 「そうだよね、危ない人もいるし、危ない場所もあるよね。町のはずれは近寄ってはいけないってお父さんたちに止められてた。あそこは怖い場所なんでしょ?」


 と私が言うと、


 「うん、スラムは近寄ってはダメ。でもここの仕事をしている限りは、近寄ることもないと思う。さあ、次に行こう。」


 廊下を進むと、広々とした大広間に出ました。大きなシャンデリアが輝き、長いテーブルが中央に置かれています。


 「ここは大広間。お祝いごとや大事な会議が行われる場所、ダンスパーティーも行われる。」


 とリサが説明します。


 私はその光景に感動し


 「すごいなあ!」


 と目を輝かせました。


 「うん。そして、庭園に行くけど、色々まだあるから先に回ろう。」


 とリサが言い、私たちはまた廊下を進み、庭園に行く前にいろんな場所を見て回りました。


 廊下の先に庭園がありました。


 そこは色とりどりの花々が咲き乱れ、色鮮やかな草花が風に揺れて、まるで夢のような光景です。


 「お城の庭園は、季節ごとに違った花が咲く。特に春はとても美しい。ここは奥様のお気に入りの場所。よくここでお茶を飲んでいらっしゃる。」

 と、リサが言いました。


 私は


 「こんなに綺麗なところでお茶を飲むとか、奥様は優雅な方だね。」


 と私は言いました。


リサは笑いながら


 「そう、ここは落ち着ける場所。シャーロット様も時々ここで本を読む。」


 と言いました。


 庭園を見渡していると


 「おい、リサ。なにフラフラほっつき歩いとるんじゃ。」


 と声がかかりました。


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