表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
27/360

ローズの回想4


 リサのお陰で何とかメイド服を着ることが出来ました。


 「さあ、談話室に行こう」

 

 そう言ってリサは部屋を出ようとします。

 「待って!談話室って?」


 と、私が聞くと


 「忘れた?マーガレット様があなたを連れてきた部屋。談話室で待っているっておっしゃっていた。あまり待たせるわけには行かない。早く行く」


 そう言って、ドアを開け廊下に飛び出そうとしたとき


「ドアの開閉は素早くかつ静かに。これもマーガレット様の言いつけ。いい?」


その言葉に私は


「はい」


と、答えそっとドアを閉めるのでした。


 談話室に着くとそこにはマーガレット様と、ゆったりとした光沢のある生地のワンピースを着ている、お腹に赤ちゃんがいるらしく、お腹の大きい綺麗な御婦人がソファーに座ってお茶を飲んでいました。


 リサが


 「失礼します」


 と、一言断ってから室内に入りました。


 私も彼女を真似て、ペコリとお辞儀してから室内に入りました。


 「あら、可愛いメイドさんね。」


 私達に気がついたご婦人は立ち上がり、私の前で視線を合わせるべく中腰になりました。


 「奥様、その体制はお体によろしくありません。」


 マーガレット様がご婦人に注意をなさいます。


 「いいじゃないの、こんなに小さくてかわいいメイドさんなんて、なかなか見れないもの。ああ、でもこの姿勢はたしかにお腹の子には負担かもね。」


 と、苦笑いを浮かべながら言いました。

 

 そして


 「リサ、待望の後輩が出来てよかったわね。」


 そう言ってリサにウインクをしました。


 リサはそれを見た途端ビクッと体を強張らせたように見えました。


 ご婦人は悪戯っぽく微笑みながらソファーに座りなおしました。


 それを確認したマーガレット様が口を開きます。


 「奥様、紹介いたします。本日新たにメイドとして雇用いたしました、ローズでございます。ローズ、こちらはアリアンナ・ヴァレンタイン辺境伯夫人。御領主様の奥様であらせられます。ご挨拶をしなさい。」


 その言葉を受けて


 「ローズと言います、4歳、オオカミの獣人族です。よろしくお願いします!」


 私は最後だけ元気いっぱい緊張に押しつぶされないよう挨拶をしました。


 それを聞いたアリアンナ奥様は


 「あら、元気でいい挨拶ね。そう、ローズちゃんって言うのね、私はアリアンナよ。よろしくね。あなたはね、このお腹の中の赤ちゃんのお付きのメイド候補なのよ。どう?びっくりした?私も頑張って元気な子を産むから、あなたも頑張って元気にお仕事してね。」


 そう言って、励ましてくださいました。


 そのお言葉に続いてマーガレット様が


 「今聞いたとおり、あなたはこの度お生まれになるお子様のお付きメイドとなることが内定しております。まだ予定には時間がありますから、それまでシャーロットお嬢様付きのリサに帯同して、メイドの仕事を学んでください。リサもしっかり教えてあげなさい。わからないことがあったら、リサでも私でもいいですから、ちゃんと聞くのですよ。聞かない、わからないで仕事を放り投げてはなりません。それをしっかり覚えておきなさい。では二人ともシャーロット様のもとへお行きなさい。リサ、くれぐれもローズのことをよろしくね。」


 その声を聞きリサが


 「わかりました、それではお嬢様のところに戻ります。失礼いたします。」


 そう言って、ドアの方に踵を返しました。


 私も慌てて


 「失礼いたします。」


 と、ぺこりと頭を下げ、リサの後を追いかける途中、後ろから


「ロッティーと仲良くしてあげてね!」


と、アリアンナ奥様の明るい声が聞こえるのでした。


ここまで読んでいただき、有難うございます。

☆の評価ポイントとブックマークで得られる作者の栄養があります。

よろしければ、下にある☆とブックマークをポチっとしていってください。

どうかよろしくお願いします。


この作品を気に入ってくださると幸いです。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ