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194.アベル君とギルドへの報告。

194.アベル君とギルドへの報告。




 俺たちは何とか中級ダンジョンから帰ってくることが出来た

 俺たちを出口で出迎えたのは、朝ダンジョンにはいつ時に絡んできた、はねっかえりの連中だった。

 

 なんというか、ボロボロだったね。

 死に掛けた奴もいたんで、アンネに頼んで治癒魔法をかけてやった。

 

 しかし連中は、いきがっているのか、虚勢を張っているだけなのか。

 「そんなことしてもらういわれはねぇ、してもらっても、金なんて無いぞ!」


 なとど言ってきた。


 「構わないよ。早く稼げるようになって、城に税金を払えるようになってくれ。」

 そう俺は言って、連中を置いて、俺たちを待っていた馬車に乗り込んだ。


 そしてフレイヤさんに連れられて、冒険者ギルドにやってきた。

 フレイヤさんにつてられてギルドに来た俺たちは、また好奇の視線にさらされる事になったが、スルーした。


 ひたすら、スルーを続けた。

 「きゃあ、あれ、お城の坊っちゃんよ。可愛い。後、二、三年したら、美味しく頂けそうね。」

 などと声が聞こえてきた。


 俺は焼肉か?熟成が必要なのか?

 そんな陰口が届いたのか、うちのパーティーの女性陣全員が、女性の冒険者を威嚇する。


 まあ、15歳を筆頭に、10歳と小さなフェアリーじゃ、周りはさほど気にしてはいなかった。

 しかし、副支部長がいるとなれば別だ。


 フレイヤさんは、盛んに陰口をたたく冒険者たちに向かって口を開いた。

 「あんた達、陰口はこの子たちがいなくなったら叩きなさいな。じゃなきゃぶつわよ。」


 フレイヤさんがこう言うと、一瞬ギルド内がシーンと静まり返った。

 「やっだぁ、姐さん。仕方ないわよ。この子たちだって、お城の人達なんて見たことないもの。」


 ごついオカマが列から出てきた。

 「そんなこと言っても駄目よ、この子たちに無礼が有ったらあんたたちその場で首が飛ぶわよ。剣では無敵がやるのか一閃の剣がやるのかの違いだけね。ああ、お転婆魔法使いの雷撃に焼かれる方が早いかもしれないわ。」


 「やだ、マジにならないで。ホント怖いんだからん。」

 そう言ってごついオカマはカウンターの列の方へ引っ込んで行った。


 そんなロビーのごたごたをやり過ごし、ギルド長室に通された。

 つか、いちいちギルおじさんに報告する必要あんのかと。


 面倒くさいなぁ。

 「って顔してんな。」


 ギルおじさんに言い当てられる。

 「まあ、僕たちのここへの報告は必要ないんじゃないかなって思いは少なからずあるよ。」


 「でもまあ、フレイヤへの依頼ということになっているんだ、冒険者として、依頼人としての報告というか所感は聞かねばならんだろう?」


 「まあ、確かにそれはそうかもしれないけどさ、それはフレイヤさんの報告だけで済むことじゃない?いや、そうだね。僕らも感想というか、報告をするべきか。」


 「わかってもらえればそれでいいんだ。で、フレイヤどうだった?」

 「どうだった、こうだったもないわ。この子たちは私の力を必要としなかったもの。それでマーティまでやっつけた。目を見張る成果よ。ドロップもが2つもあったしね。」

 

 「中級の中ボスをフレイヤの手も借りずにね。それは大したものだ。怪我とかはしなかったのか?」

 ギルおじさんは最初大げさに驚いて見せてから、さらなる状況を聞き出そうとする。


 「途中でローズが大けがを負ったけどね、うちには聖女様がいらっしゃるから。」

 俺がそう言うと、アンネの頬が染まり俯いた。


 「ああ、そうだなアンネちゃんが居たんだもんな。まったく二人とも大きくなって。あの横領事件を見つけたのを昨日のことのように思い出せるのになぁ。俺だけ年取ってんじゃねぇんだな。」


 「ギルマス、浸っているところ悪いけど、獲物見てくんない?アベルちゃん出して見せてあげて。」

 フレイヤさんが俺にドロップを出すように促した。


 「うん、ちょっと待って。」

 俺は背負っていた背嚢を降ろし中をまさぐる。

 そして拳の半分の大きさの緑鉱石と拳大の赤鉱石を取り出すと、応接セットのテーブルに置いた。


 「おいおい、これが中級で出たってのかよ。」

 ギルおじさんはさらに驚く。

 

 「そうよ、緑鉱石はクリケで、赤鉱石はマーティーで出たの。この子たちの運も大したものだわ。」

 そう言って大げさに手を広げおどけて見せるフレイヤさん。


 「だいたいこれだけで、大金貨一枚に金貨五枚だろ。坊主、どうする?換金していくか?」

 ギルおじさんは、提示している金額にしては気軽な感じで問いかけてきた。


 「いや、持って帰るよ。記念のアクセサリーにしてみんなに配るんだ。」

 俺がそう言うと

 

 「その大きさだと余るだろ?」

 と、ギルおじさんが聞いて来たので


 「そんときゃ、母さんの装飾品にでも変わるんじゃないかな?お金は貰うけどね。」

 「あのアリアンナにプレゼントと見せかけて、せびるってか。坊主は大したもんだ。わっはっはっは。」



 そう言って、豪快にギルおじさんは笑った。


ここまで読んでいただき、有難うございます。

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