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146.アベルくんと大臣たち。

146.アベルくんと大臣たち。


 


 文官が連れてきたのはこじんまりとした会議室だった。

 あとから聞いたが、父さんが各騎士団人員の貸与要請を行った会議室だと知ったよ。


 席順はこうだ。

 俺の正面の左に王、その左隣に王妃が座る。

 王の右、直角に曲がったすぐが宰相。爺ちゃんだ。

 その隣に書記かな?の文官が2名座っている。

 長いテーブルが四角く囲み、王の対面に俺、王妃の対面に母さん。その直下に曲がったところに婆ちゃんが座った。


 王妃側の曲がったとこ列に三人ほど知らんおっちゃんたちが座っている。

 知っても栓無い事だ、放っておこう。

 いや、マジ無理に聞きたくないから。

 コネクションとかいらないから。


 俺たちが席に着いたところを見計らって、王が早速口を開いた。

 「よし、そろったな。アベル、緊張せんでも良いぞ、していないだろうがな。」

 こいつ!はなっからオチョクッとるやないけ!!


 「こらこら、これくらいで怖い顔をするでない。余は未来の義父ぞ。」

 「まあ、では私も未来の義母ですわね。」

 おい、この夫婦どうにかしろ。


 「陛下、進めても宜しいでしょうか?」

 爺ちゃんが俺を可哀そうに思ったのか議事進行をしようと進言してくれた。


 「うむ、しょっぱなから弄り倒しても詮無きことだ。いや、違う。疲れさせても可哀そうだ。」

 「はい、それではたぶん私の向かいのお三方をアベルは承知していないでしょうから、私からご紹介いたしましょう。」

 無慈悲な王と違い、俺の爺ちゃんは優しい。

 だが彼らの紹介は余計もんだがな。


 「王妃側の曲がってすぐ隣にお座りになられておるのが法務大臣、レオンハルト・ベルクシュタイン伯爵。」

 うげぇ、役職持ち共かよ。

 金髪と銀髪が混ざった優男。

 歳はヴァレンティアに残ったエドワード爺ちゃんと同じくらい、50中盤くらいかな?


 しかし、この国にはまだ侯爵はいたはずだ。

 それでも法務大臣ってことは、この伯爵は相当優秀な人物なんだろうね。

 

 「君がアベル君か。君の噂はかねがね聞いている。よろしく頼むよ。」

 「はい、法務大臣閣下。こちらこそよろしくお願いします。」


 俺はとりあえず当たり障りのない挨拶をしておいた。

 母さんも婆ちゃんも微動だにしていないってことは、これが正しい対応だったんだろう。


 「続いてその隣、内務大臣、ヴィルヘルム・ド・カレッド伯爵。」

 「私が内務大臣のカレッド伯爵だ。5歳の若さにしてなかなかの人物と聞く。しかし、承知しているだろうが風紀を乱すのはいかんぞ。よろしくな。」

 メガネを掛けた小柄な人だ。

 でも、ステレオタイプな神経質って感じはしない。

 まあ、エリート官僚って感じかな。


 「はい、内務大臣閣下、よろしくお願いします。」

 この人も悪い人って感じはしない。

 実務的であろうとしているようには見えるが。

 さて。


 その隣の大きな

 …マジ大きいな。

 その人物がガタガタと大きな貧乏ゆすりを始めた。

 「宰相!俺の紹介はまだか!!」


 「わかっているよ、グスタフ。そう急かすな。俺の大事な孫なんだ。お前に紹介してやるだけでもありがたいと思え。」

 そう言って、爺ちゃんは大きい人を切って捨てると

 「ビルのくせに生意気な!!」


 爺ちゃんにグスタフと呼ばれた大きな人が怒鳴った。

 しかし爺ちゃんは華麗にスルー。


 「アベルや、こいつが軍務大臣のグスタフ・ヴォルフガング侯爵だ。まあ、アベルとは気が合うかもしれん。仲良くしてやってくれ。」


 爺ちゃん、王の御前なのに、そんなにフランクでいいの?


 「おう!アベル。儂が軍務大臣のグスタフだ。いや、グスタフ。ヴォルフガングだ。よろしくな。」

 「はい、軍務大臣閣下、よろしくお願いします。」

 俺がそう言うと

 

 「ビルと違って出来がよさそうだ。アリアンナ、いい子供が出来てよかったな。」

 そう言って豪快に笑いだした。


 言われた母さんは気まずそうに苦笑い、そこへ婆ちゃんが

 「軍務大臣閣下、陛下の御前ですよ。」

 と、軍務大臣に注意をした。


 「わ、わかっておるわ。クリスめ、昔から一々うるさいのは変わらんか。」

 

 おや?

 あれか、昔から三人は仲良しの幼馴染パターンてやつか。


 しかも婆ちゃんがヒロインポジ?




 草。




 



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