第六章(8) 突然止まったカウントダウン
「動くな!」
その言葉に驚いて入り口の方を見ると公爵様とエリオット様がいらっしゃいました。
「こ、公爵様!彼女を守ってください!お願いします!」
私は傷が痛むのを我慢して、声を出しました。
「守る?なぜ」
「時間が過ぎました。早く窓などのないところへ、彼女を・・・・!」
カミラは過去の話をした後、自分はもう死ぬのだ、と言い出しました。 カミラの仕事は、本来、今日で終わったはずでした。カミラに褒美が与えられる、ただ、それだけなのです、本当は。それでも、私はそのことが悲しかったのです。
「私、まだ死にたくありません」
その言葉は、私もさっき、思ったことでした。
「あなたが、アリーナ様が死んだ後で、私は死にたいです。あなたが『一番幸せな時のことを思い出す』その姿を見守ってから、死にたかったです」
義母にとって私はもう死んだ人。次は、カミラが死ぬ人、死ぬ順番なのだけど、実は私は生きている。
つまり、私はこれから、彼女のいない世界で生きなければならない。そんなこと、全く想像してなかったから、とても怖く感じました。
「そんなの嫌です!私も一緒に死にます 」
公爵様には申し訳ないけれど、彼女がいなくなった世界で、味方のいない世界で、義母に殺されるのを待つくらいなら、今、カミラと一緒に死にたいと思いました。
「大丈夫、殺されないよ」
「・・・・え?」
「奥さんの義母と妹さん?を拘束したから」
拘束・・・・?
「それは、いつまでですか?」
「あいつは一生、外に出すつもりはないよ」
一生、それは、つまり・・・・
「カウント、止まりましたね 」「・・・・そうね」
私の時間のカウントダウンは、余命3ヶ月ほどで急遽、止まったのでした。




