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第六章(6) 知っていたら・・・・という後悔 By ハロルド・レイルズ

「普通じゃないことはすぐ分かってた。ハルがドレスを選んでるのは知っていたから、奥さんに無関心じゃないこともね 」

こいつは俺のことを何でも知っているんじゃないかと思わされる。

「 この間のケーキ の件で、僕は奥さんが変だと思った。奥さんがどれだけ貴族令嬢らしくないとは言え、ケーキを『特別』なんて、信じられなかった」

ああ、あの時の少し変だった反応はこいつが本心を話していなかった方だったんだ。

「彼女は母親を亡くしたから、社交界から消えた。あの女が外に出さなかったんだろう」

あの女とは妻は殺そうとしていた彼女の母親のことだ 。

「実際のところ、ハルが奥さんと結婚していなかったら、彼女は記録上死んでいたみたいだよ。身分証がオークションに出されていた」

「・・・・身分証持ってないのか?」

結婚の手続きには身分証が必要なはずだ。俺たちは結婚出来たから、手続きの時には持っていたはず。つまり、結婚の手続き後に売ったのか。

「今は思ってるみたいだよ。君たちが結婚した日に、取り消されていた」

そんなことまでよく調べたな、こいつ・・・・いや、俺が違和感に気づいて、調べるべきだったのか。

「・・・・知っていたら、彼女を守れたかもしれない」

「そうだね。けど、まさか直接殺しに来るなんて思わないよ」

妻の事を知ろうともしなかった俺が、妻を守るなんてできてない。

母親が死んで悲しんでるだろう彼女が暮らしやすい場所を作ろうと思って、勝手に結婚して、妻を俺の家に嫁がせただけだ。

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