第六章(4) 過去の話と私の感情 Byカミラ
姉を殺されてからの私は、ただ、姉の言葉だけを頼りに生きていました。そんな私に来た仕事、それは、とある公爵家に嫁ぐ女性の監視でした。
仕事を終えたら姉に会える。
そう言われて、すぐに引き受けました。
監視対象の女性、アリーナ様は、とても美しい人でした。一年半後に死んでしまうにはもったいない人に思えて仕方がなかった。
そんな彼女と生活を送る中で、彼女が姉さんに似ている所を持っていると気が付きました。
姉に似ている貴方の役立ちたくて、私は沢山のことを学びました。
その中で知ってしまったことが、『奴隷制度』でした。私や姉が奴隷だったと知り、どうしてそうなってしまったのかを調べるうちに、この謎まで解けてしまいました。
調べる中で姉の身分証が売られていることを知って、給料の全てを使って姉と私の身分証を取り返しました。その時の喜びは、とてつもないものでした。
そんな時でした、アリーナ様がカフェで働きたいと言ってきたのは。
はじめは、私の、自分の身分証で働いてもらおうと思っていました。だけど、アリーナ様の呼ばれたい名前は、姉さんと同じ名前で。メイ、で。そう言われてた瞬間に、私は姉さんに会えた気がして、嬉しくて。それで、姉さんの身分証をアリーナ様に渡しました。アリーナ様の髪の色を金色にしたのも、同じ理由でした。金色の髪色をしたアリーナ様は、本当に姉さんにそっくりで。姉さんが、生きてるみたいで、一人、泣きそうになりながら、アリーナ様と生活をしていました。
きょ、今日、雇い主から連絡をもらって、私、一番大切なことを忘れていたことに気がついたんです。
姉さんの身分証で働いて、雇い主にバレないわけがないということに。
今回のことは、私が、アリーナ様を、私の姉さんにしてしまったから起こってしまいました。
私は、完全に仕事をこなせなかった。
だって、大失敗をしたから。
その大失敗は、アリーナ様の残された限りのある時間を、縮めてしまったことでした。




