第四章(13) 分かることと不思議 By スタンリー・エリオット
僕はハルの奥さんの付き人から話を聞いて、奥さんについて調べ始めていた。
事前にさり気なく、ハルに奥さんの話を聞くと、ハルはほとんど知らなかった。
ハルが僕に言っていたことは、
昔惚れた女の子を妻にしたいと思って探したけれどなかなか見つからずやっと見つけた勢いで婚約してしまった、とのこと。
他には何も知らなくて、話してくれなかったので、僕はハルに何も伝える事無く調べを進めた。
調べた結果、奥さんは長い期間社交場に出ていないことが分かった。どうして出なかったのかはまだわからなかっただけれど、調べを進めればすぐにわかるだろう。
調べれば調べるほど、僕の頭の中は謎ばかりになっていく。
惚れた女の子を妻に迎えられなのにも関わらず、なんで今まで家に帰らなかったのだろう?
最近ではハルは以前より奥さんの事を話すようになったし、家にも帰るようになった。
だからこそ、不思議なんだ。
帰れるのなら、もっと早くから帰ったら良かったのに。
いや、帰りたくても帰れない理由があったのだろうか?
ハルは、何か言っていなかったっけ?
『そこに俺の居場所はない』
あ!
けど、なんでなんだろう?
ハルは奥さんのことを何も知らないのに、どうしてそう思っているんだろう?
ハルについて考えると考えるだけよくわからなくて、調べるしかないか、と思う。
ケーキを奥さんに買っていくようになったハルに、幸せになってもらいたい。
親友の幸せの為だけに、僕は今日も残業をし始めるのだった。




