序章(3) 監視役とその想い
そこまで思い出して、はっ!っと気が付きました。
そして、私は今まで私を監視していたであろうカミラを睨みつけました。
カミラはとても申し訳無さそうな顔をしていました。
私は机においてある紙をとって、文字を書きました。
『会話が聞かれていたり、カメラが回っていたりする?』
「いいえ」
カミラは返事をした。
正直な所、盗撮や盗聴が行われていたのでは無いかと心配になったので、そうではないと知って、少し安心しました。
「す、少し安心したわ」
「流石に主様であってもこのお屋敷ではそんなこと出来ませんよ」
そう言われればそうです。このお屋敷ではお母様の権力は通用しません。それがわかっているからお母様はカミラを私のそばに置いたのでしょう。
「あの人と連絡は取っているの?」
「はい。週に一度、伝書鳩を使って」
「報告することがそんなにあったと思えないけれど?」
「そうですね。この間は、ずっと手芸をされています、と報告したところ、さぞ庶民向きの完成品でしょうね、とお返事をいただきました」
「・・・・お母様らしいわ」
カミラがここまで話してくれるってことは、彼女はあの人に本当に従っている訳では無いということです。彼女は、信頼しても大丈夫なのではないでしょうか。
「さて、お話していても時間は止まりません。今日は手芸をして、明日からは貴方がやりたい事をなさって下さい」
そう言ったカミラの顔は優しげだった。