第三章(5) 結婚後始めての、公爵様とのお食事
不安で一杯になっていた私は公爵様と何もお話することが出来ず、結局何の会話もないまま、食事は終わってしまいました。
緊張していて、自分自身が何を食べていたのか、どんな味だったのかすら、全く覚えていません。
「・・・・今日は急にすまなかった」
「い、いえ。お気になさらず」
急に話しかけられて軽くパニックになりながらも、私はきちんとお返事をすることができました。
「そ、そういう服が好みなのか?」
「え?あ、はい」
「それなら、今度からドレスを一着増やそう」
え?
「不用な服は好きに処分してくれて構わない」
ど、どういうこと?
私は公爵様のお言葉をもう一度思い出しながら理解することにしました。
ドレスを一着増やすということは他のドレスは今と同じだけ届けられるということ?処分していい?そう言われても、リメイクしている時間が無いのよね。
「公爵様、大変申し上げにくいのですが・・・・」
「何だ?」
「パーティ用のドレスなのですが、その多くがパーティに出席することのない私には必要のないものです。好みの数着だけ選んで着ています。その他のドレスは、私自身でリメイクをして、孤児院へ寄贈をしております」
私はなんとか言い切ることが出来ました。
「リメイク?」
「は、はい。これは公爵様へと作ったハンカチでございます。よ、よろしければお使い下さい」
「・・・・ありがとう」
公爵様は、ハンカチを受け取って下さいました。
「そ、そろそろ、お部屋へ戻っても大丈夫でしょうか?」
私は気まずくなって、ついついそう言ってしまいました。
「あ、ああ。急で悪かった。身体に気をつけて」
「は、はい。公爵様こそ、お疲れのところをわざわざありがとうございます。お身体を大切になさって下さい」
私はそれだけ伝えると、カミラを連れて自分の部屋へと戻ったのでした。




